社会インパクトとESGマテリアリティ
社会の中の不二製油
不二製油グループのバリューチェーン
不二製油グループは、植物性油脂事業、業務用チョコレート事業、乳化・発酵素材事業、大豆加工素材事業の4つの事業を展開している食品素材メーカーです。パーム油・カカオ・大豆といった農作物を主原料に、チョコレート用油脂や業務用チョコレート、ホイップクリーム、マーガリンや大豆たん白素材などのさまざまな食品素材を開発・製造・販売しています。顧客は食品メーカーや外食店、コンビニエンスストアや小売店など、さまざまな業態にわたります。
不二製油グループのポジティブ・インパクトとネガティブ・インパクト
不二製油グループは、以下のポジティブ・インパクト(正の影響)とネガティブ・インパクト(負の影響)を認識しています。
ポジティブ・インパクト例
- 植物性食品素材を用いた食資源の問題や健康寿命への貢献
- 原材料のサプライチェーンにおける持続可能性の向上
- グループ企業の主に製造工程におけるエネルギー、水などの資源の消費およびCO2、廃棄物などの排出削減による地球環境への負荷低減
ネガティブ・インパクト例
- バリューチェーンにおける環境破壊や人権侵害
- グループ企業の主に製造工程におけるエネルギー、水などの資源の消費およびCO2、廃棄物などの排出による地球環境への負荷
インパクトを踏まえた4つの活動分野
不二製油グループは、サステナビリティ経営推進に資する活動を下記4つの分野に分類・整理し、それぞれの活動指針を定めています。

SDGsへの貢献

ESGマテリアリティの特定
考え方
不二製油グループは、事業活動を通じて「社会の持続可能な発展への貢献」と「自社の持続的な成長・社会への価値創造」をともに実現するために、「ESGマテリアリティ」を定めています。「ESGマテリアリティ」は、サステナビリティ経営推進のための4つの活動分野のうち、事業活動を通した「ポジティブ・インパクトの創出」あるいは「ネガティブ・インパクトの低減」に寄与します。
2022年度 ESGマテリアリティ
2022年度のESGマテリアリティは以下のとおりです。各ESGマテリアリティに対する考え方や目標、取り組み状況などは関連ページをご参照ください。
価値創造
サステナブルな食資源の創造
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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植物性タンパク資源の創造 |
将来懸念される食資源不足への解決策として、動物性タンパク、乳製品を代替する環境負荷の低い多様な植物性食品素材の普及と代替技術の確立
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健康と栄養
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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健康課題や生活の制限の解消によるシニアのウェルビーイングの実現
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糖質低減 |
食品の糖質の一部を植物性タンパク素材で代替し、生活習慣病の予防に資する栄養バランスに優れた食品の提供
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WHO指針および各国での法規制に基づいた、トランス脂肪酸摂取量が総エネルギー摂取量の1%以上である地域における、製品中のトランス脂肪酸含有量の低減
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海外の対象グループ会社14社のうち10社で低トランス脂肪酸製品への変更が完了(2022年3月時点)
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サステナブル調達
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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カカオのサステナブル調達 |
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大豆のサステナブル調達 |
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- ※1 LTP:Labour Transformation Programme。
- ※2 GAP:Good Agricultural Practices(農業生産工程管理)。
- ※3 RTRS:Round Table on Responsible Soy Association(責任ある大豆に関する円卓会議)。
安全・品質・環境
製品の安全性と品質
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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製品安全と品質の徹底 |
製造される全ての製品において、自社が原因となるクレームゼロ
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重大品質クレームゼロ
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重大品質クレーム0件
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労働安全衛生
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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労働安全衛生の推進 |
人間尊重および安全第一を最優先とし、「安全で快適な職場」づくりによって全グループ会社で災害ゼロ
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重大災害ゼロ、重大物的事故ゼロ
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重大災害0件、重大物的事故0件
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気候変動
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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CO2の排出削減 |
<環境ビジョン2030>
2030年にCO2排出量(総量)をスコープ1+2で40%削減、スコープ3(カテゴリ1)で18%削減(基準年2016年) 注:SBT認定取得 |
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環境に配慮したものづくり |
脱ケミカルやCCU(CO2の有効利用)などの技術開発による自社バリューチェーン上の地球環境負荷の低減
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水資源
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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水使用量の削減 |
<環境ビジョン2030>
2030年に水使用量原単位を20%削減(基準年2016年) |
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25%削減
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サーキュラーエコノミー
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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廃棄物の削減 |
<環境ビジョン2030>
2030年に廃棄物量原単位を10%削減(基準年2016年) |
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6.1%削減
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技術イノベーションならびに副産物の再利用を通じたバリューチェーン上のフードロスおよび廃棄物削減
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食品のおいしさを維持する新素材の開発と提案、顧客での採用増加
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生物多様性
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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生物多様性の保全と再生 |
主原料生産地でのネイチャーポジティブの実現
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当社グループの生物多様性保全に関する方針の作成
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2021年度ESGマテリアリティとして該当なし
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- ※ 生物多様性に関する取り組みの詳細については、以下のURLをご参照ください。
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パーム油のサステナブル調達
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カカオのサステナブル調達
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大豆のサステナブル調達
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シアカーネルのサステナブル調達
経営基盤
DE&I※1
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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DE&Iの実践※2 |
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<グループ全体>
<日本>
<海外>
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<グループ全体>
<日本>
<海外>
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- ※1 DE&I:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン。
- ※2 公正な機会提供や評価とインクルーシブなマネジメントによる多様な人材の活用。
GRC※
取り組みテーマ/管掌者/特に貢献を目指すSDGs | 目指す姿 | 2022年度目標 | 2021年度実績 |
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リスクマネジメントシステム |
リスクに強く、社会からの信頼を獲得する高信頼性企業の実現
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コンプライアンスの強化 |
公正かつ透明性を持った事業活動を行い、全てのステークホルダーから信頼される誠実な企業
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グループガバナンスの向上 |
有効なグループガバナンス体制の構築を通じた企業価値の向上
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取締役会の適正な運用を通じた企業価値の向上
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経営の監督(モニタリング)機能に主軸をおいた取締役会運営の定着
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2021年度の取締役会での以下のような議論の実施
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- ※ GRC:ガバナンス・リスク・コンプライアンス。
2022年度ESGマテリアリティ特定プロセス
不二製油グループでは、新たな社会課題や、ステークホルダーとの対話の中でいただいた助言に基づき、年1回ESGマテリアリティのレビューと特定を行っています。
2021年度は、サステナビリティ委員会事務局が2021年度ESGマテリアリティマップをベースに、GRI※1やSASB※2の開示項目、WBA※3の評価基準、SDGs、業界団体が推進するESGテーマ、国内外同業他社のマテリアリティ、有識者の助言などを考慮し社会課題リストを更新しました。さらに、リスト化された15の社会課題は、「不二製油グループが社会に与える影響度」と「社会課題が不二製油グループに与える影響度」の2軸からなるマテリアリティマップ上で重要性を3段階で評価し、2022年度のESGマテリアリティマップ案を作成しました。
ESGマテリアリティマップ案は、ESGマテリアリティを管掌する不二製油グループ本社のCxOや、地域統括会社社長、関連部署、社内外有識者といったステークホルダーとの意見交換を経て、同CxOや、コーポレート部門、事業部門、研究開発部門から選出された2021年度のESGマテリアリティ推進責任者、社内外有識者など約30名が参加するサステナビリティ委員会で、その妥当性について審議されました。
サステナビリティ委員会での審議結果に基づき、サステナビリティ委員会事務局はグループ本社の取締役会へ2022年度ESGマテリアリティマップおよび11のESGマテリアリティを報告し、承認を得ました。
2022年度ESGマテリアリティマップおよびESGマテリアリティは、2021年度版から主に以下の観点で更新されました。
- ESGマテリアリティマップの縦横軸に、ダブル・マテリアリティの概念をより際立たせた表現を採用し、当社グループが社会に与える影響度に重きを置いた分析を実施
- 2020年度の分析実施時よりステークホルダーの関心の高まりが見られる「健康と栄養」および「生物多様性」を独立した社会課題として整理
- いくつかの社会課題において、ステークホルダーの関心事により沿う表現となるよう名称の微修正を実施(例:食の創造→サステナブルな食資源の創造)
- ※1 GRI:Global Reporting Initiative。
- ※2 SASB:Sustainability Accounting Standards Board。
- ※3 WBA:World Benchmarking Alliance。
特定プロセス
アドバイス(例)
2022年度ESGマテリアリティマップ

- ※1 人権の尊重、森林や生物多様性の保全と再生も重要な観点として含まれます。
- ※2 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン。
- ※3 ガバナンス・リスク・コンプライアンス。GRCにはコーポレートガバナンスと内部統制の観点が含まれますが、サステナビリティ委員会においては内部統制に関わる項目をモニタリングしていきます。コーポレートガバナンスは取締役会にてモニタリングしていきます。