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CEOメッセージ

植物性素材でおいしさと健康を追求し、
サステナブルな食の未来を共創します。

世界はいまや、気候危機・生物多様性の喪失や人権などの社会課題に加え、地政学リスクや原料価格の高騰などの脅威に直面しており「食」をめぐる問題はより深刻かつ複雑化しています。また、3年に及ぶパンデミックによって私たちの暮らしや働き方も大きく変容しつつあり、多くの生活者が地球と心身の健康への関心を高め、サステナブルで“意味のあるホンモノ”を求めるようになっています。このような環境下で、レジリエントで持続可能なフードシステムの一翼を担う食品会社への期待と責任はますます大きくなっていると感じています。

不二製油グループはこの5月に、新たな2030年ビジョン「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します」を掲げました。このビジョンのもと、グループ一丸となって、世界各国・地域の状況や食文化に寄り添いながら、食の偏在化や人々のウェルビーイング、環境問題の解決に取り組んでいきます。そのためには、全従業員が食のバリューチェーン上に存在する社会課題への感度を高め、それぞれの持ち場で迅速に適切な対応策を提供することが肝要だと、私は考えています。

2030年までの第1フェーズである中期経営計画「Reborn 2024」では、新たな社会価値を生み出す企業グループへ生まれ変わるための施策に着手します。新たな時代のスタンダードとなるような「人と地球の健康を支える植物性食品の創出」を基本コンセプトに、サステナビリティへの取り組みを深化させていきます。健康志向の高まりに応える植物性食品の多様化を図るため、次世代技術の実用化と連動した育種等によるサステナブル原料の開発やこれまで植物性では表現できなかったおいしさを実現する技術開発を加速します。高齢者のフレイル予防や肥満などの健康機能に関する研究開発も進めます。また、持続可能な生産と消費を促進していく上で、環境や人権に配慮したサステナブルな原料の確保が重要となるため、現在取り組んでいるトレーサブルな原料供給体制の確立と、各製造拠点の環境負荷削減と生産性改善の同時達成を目指します。気候変動対策として1.5℃目標に向けた自社工場における省エネや再エネシフトへの努力に加え、サプライヤーへのCO2排出削減エンゲージメントを開始します。さらに食の基盤である生物多様性の保全に向け、新たに生物多様性に関する方針を策定し事業活動へ反映していきます。いずれの施策も経営戦略と一体化させて展開してまいります。

変化の激しい社会情勢においてこれらを推進していくには、ステークホルダーの皆様とのより強固な連携と共創ならびに社会への発信と生活者の行動変容が欠かせません。そして、食はグローバルであると同時にローカルなものです。世界34拠点に展開する当社グループの強みを活かし、各国・地域固有の課題解決につながる新たなイノベーションを生み出して価値創造へと結びつけていくために、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を進めます。多様な従業員がそれぞれの違いを尊重しあいながら、公平・公正に機会を与えられ、働き甲斐を感じ、「自分らしさ」を存分に発揮しながら、自らの能力を高めていけるような職場づくりを目指します。

SDGsのゴールである2030年、さらにその先の社会においても、誰もが心から食事を楽しみ幸せを感じられる世界を実現するため、時代の半歩先をいく植物性素材を拡充し、サステナブルな食の未来の実現に貢献してまいります。

不二製油グループ本社株式会社
代表取締役社長
最高経営責任者(CEO)

酒井 幹夫