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サステナビリティ経営

サステナビリティ経営の考え方

不二製油グループは、2030年ビジョン「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します」を掲げ、グループ全社一丸となってサステナビリティ経営を推進するとともに、ステークホルダーとの共創により、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。
当社グループの目指すサステナビリティ経営とは、グループ全従業員が地球環境・人権・心身の健康などのバリューチェーン上の社会課題を機敏に捉え、全てのステークホルダーの期待に応えるソリューションの提供に努め社会価値を創造することで、サステナブルな食の未来の実現と当社グループの企業価値向上を目指すものです。当社グループは、時宜にかなった価値ある製品ソリューションの提供により利益を得、その利益を持続可能な食糧システム実現へ再投資する良循環を迅速に回していくことで、持続的なグループの成長と社会の持続可能な発展を両立してまいります。

不二製油グループの目指す価値創造

サステナビリティ経営の推進体制

社内のサステナビリティ意識浸透を目的に2019年4月に不二製油グループ本社にC“ESG”Oを設置しましたが、その役割は達成し第2ステージ「全従業員によるサステナビリティ推進」に入ったとの考えから、2022年4月にC“ESG”Oを廃止し、各部署でESGを推進しています。一方、統括役としてESG担当役員を配置し、当社グループと社会の双方の持続可能な発展に向けて、取締役会と連携しながらサステナビリティ経営を統括しステークホルダーの期待に応える役割を担っています。
また、全社・事業横断的サステナビリティの取り組みの推進およびモニタリングの観点から、不二製油グループ本社取締役会の諮問機関として2015年に「ESG委員会」を設置し同機能を果たしてきましたが、コーポレートガバナンス(G)は取締役会で取り扱っており、環境(E)や社会(S)を中心とする全社的なサステナビリティの取り組みのPDCAが同委員会の役割であることを明確にするために、2022年度に「サステナビリティ委員会」へ名称を変更しました。年2回以上開催し、サステナビリティ経営の前提となる「ESGマテリアリティ」の策定ならびに取り組みテーマの目標・戦略について、中長期視点およびマルチステークホルダー視点で審議を行い取締役会に答申しており、取締役会はそれを受けてマテリアリティを承認するとともに、中長期的なグループの方向性を決定しています。
同委員会はCxOと社内外の有識者で構成され、ESG担当役員が委員長を務めていますが、2022年度よりエリア統括会社の代表も委員会メンバーに加えました。現地の社会課題を議論に取り込むことで、事業戦略と現地の取り組みとの連動性を高めています。さらに、同委員会の傘下に「全社重要リスク分科会」を設置し、全社重要リスクの抽出やその対応策の適切性について評価し、企業価値毀損リスクを徹底的に低減していきます。
サステナビリティ委員会事務局を担うESG部門サステナビリティ推進グループは、ESGに関する社会動向を掴みステークホルダーの声をマテリアリティ作成や社内エンゲージメントに反映するとともに、グループ全体のサステナビリティ推進体制の構築に努めています。

Sustainability Development Team(SDT)の設置

2021年5月、専門家からなるSustainable Development Teamをサステナビリティ先進国のオランダに所在するフジ ヨーロッパ アフリカに設置し、ESG情報のハブ拠点として活動しています。サステナビリティに関する最新情報や法規制の動向を把握し、将来のリスクと機会を特定して事業活動に取り込むことで、サステナビリティ企業としての存在感を高めています。業界団体への加盟を通じてネットワークを構築し、リスクを新たな事業機会に変える試みや不二製油の事業活動が社会に与える影響評価指標の導入を検討しています。
2021年度は、製品のライフサイクルを通じた社会的影響評価手法を開発する多国籍企業ネットワーク“Roundtable for Product Social Metrics”を通じ、初めてシアバターのサステナビリティアセスメントを実施しました。また、顧客のサステナビリティニーズに応えるべく、欧州の法規制の動向に合わせた事業活動の促進や当社製品のカーボンフットプリントの算定にも取り組んでいます。

SDTのメンバー(フジ ヨーロッパ アフリカ)

教育

不二製油グループ全体でサステナビリティ経営を実践するため、役員や従業員向けにESGに関する社会動向や当社グループのサステナビリティ経営の考え方・取り組みについて啓発しています。
2021年度は、国内グループ会社の部長層を対象とした「ESG・サステナビリティ研修」や、国内外のグループ会社従業員を対象としたeラーニング「不二製油グループのESG経営」を実施しました。eラーニングの受講率はグローバルで83.7%となり、事後アンケートからもサステナビリティ経営に関する理解が深まったという結果を得ることができました。また、社外の専門家を講師として招聘し、社外役員を含む全ての取締役・監査役、執行役員ならびに幹部社員を対象に以下のテーマで研修を実施しました。

①経営に影響を与える重要事項の最新動向を掌握する(「サステナビリティ」「ガバナンス」「法律」等)

2021年度実施テーマ(社外専門家を招聘して実施)

  • ESGと持続的な企業価値の向上
  • 改訂コーポレートガバナンス・コードの狙い
  • 経営層が知っておくべきDX成功のポイント
  • クロスボーダー事業再編に際しての着眼点

②社外から寄せられた意見等を踏まえ改めて自社の現状理解を深め、改善のためのディスカッションを行う

2021年度実施テーマ(ファシリテーター:財務・IR部門)

  • 統合報告書2021に関わる投資家からのフィードバック

さらに、社内コミュニケーションサイト(日本語・英語・中国語・ポルトガル語)を通じて社内外のサステナビリティ情報を発信するなど、日頃よりサステナビリティ経営に関する社内の理解向上と新たな価値観や気づきの機会を増やしています。

  • ※ 対象者:会社貸与のメールアドレスを持ち、通常業務でPCを使用する社員。

インセンティブ

ESG経営賞

サステナビリティ経営の推進に貢献したグループ会社または部門を年に1度表彰する制度として、ESG経営賞を設けています。
2021年度は、不二製油グループ本社の調達管理部門が受賞しました。サステナビリティ委員会で掲げたKPIの達成に加え、サステナブル調達において不二製油グループとして初めての長期目標となるパームおよびカカオの野心的な目標を策定したことや、グローバルサステナブル調達委員会の整備など今後のサステナブル調達活動推進のための重要な基盤づくりを行ったこと、さらにこれらの活動が環境・人権問題発生のリスク低減にも寄与し、外部からも高い評価を得て企業価値向上にも貢献したことなどが評価されました。

ESGに関連する役員報酬(業務執行評価連動型金銭報酬)

業務執行を兼務する取締役(代表取締役を除く)は、業績目標の達成と企業価値向上に向けた経営上重要かつ戦略的な業務執行を担うことから、取締役個人の執行責任と成果を明確にし、パフォーマンスの発揮度を報酬に反映すべく、2022年度より個別の業務執行に関する評価を導入しています。
業務執行評価は、全社業績、担当部門業績、個別重点課題のほか、サステナビリティ経営の重点領域となっている自部門の課題について、具体的な指標および目標を設定した上で、その達成度に基づき代表取締役社長が決定します。なお、業務執行評価ではESG目標を設定することとしており、その評価ウェイトは一律10%に設定しています。
また、執行役員についても、2022年6月からの委任型執行役員制度の導入に伴い、業務執行を兼務する取締役と同様の評価制度を適用しています。