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油脂中のプロセスコンタミナントの低減

マテリアリティ

健康と栄養

ガバナンス

不二製油グループは、取締役会の諮問機関であり、代表取締役社長 兼 CEOが委員長を務めるサステナビリティ委員会※1にて、ESGマテリアリティ※2の「健康と栄養」について、マルチステークホルダー視点で審議・監督し、取締役会へ答申しています。また、最高経営戦略責任者(CSO)の管掌のもと、同重点項目「油脂中のプロセスコンタミナントの低減」の取り組みを推進しています。

戦略

プロセスコンタミナントとは、食品の製造工程での高温加熱などによって原料に元々含まれる脂質から偶発的に生じる物質(3MCPDE※1/GE※2)や、サプライチェーン上(原材料調達・輸送・保管・製造など)で意図せず混入する物質(Mosh/Moah※3)のことです。現状では人の健康に悪影響がないと言い切れず、引き続き国内外のリスク管理機関で検討されています。そのため、合理的に達成可能な範囲で、できる限り食品中の濃度を低減させる必要があります。
当社グループでは、グループ各社において、従前より顧客からの要請に基づき各種のプロセスコンタミナントの低減に向けて取り組んできました。例えば、風味や食感といった油脂の品質に極力影響しない低減法を開発し、現場に導入しました。今後取り組みをより加速させ、昨今高まる市場の期待値に対応していきます。

  • ※1 3MCPDE:脂肪酸エステル類。油脂の精製工程で、高温処理(>160-200℃)により油脂と塩素が反応して生成される。
  • ※2 GE:グリシドール脂肪酸エステル類。油脂の精製工程で、高温処理(>200℃)により生成される。
  • ※3 Mosh=鉱物油飽和炭化水素(Mineral Oil Saturated Hydrocarbons)、Moah=鉱物油芳香族炭化水素(Mineral Oil Aromatic Hydrocarbons)。鉱物油炭化水素の一種で、主に石油の分留および精製から得られる幅広い化合物から構成される。

リスク管理

コンタミナント低減に関する最新の法規制や業界動向、顧客からの要請内容について、定期的にグループ全社から情報を収集し、市場ニーズに前もって対応できるような体制を整えました。
また、コンタミナントのリスクが少ない原料を供給できるサプライヤーを選定し、協業しながらサプライチェーンを構築する取り組みも進めています。

指標と目標

Next Step

プロセスコンタミナントの低減では、良質な原料を調達し、自社工場内の加工プロセスにおいてもその品質を維持することが重要です。このことを念頭に置きながら、市場ニーズに前もって対応できるような体制づくりを進めています。
2024年度は、下記のグループ7社において、顧客からコンタミナントの上限数値について規格要請があった製品の供給達成率100%を目指します。

  • 不二製油(株)(日本)
  • フジオイル(シンガポール)
  • パルマジュ エディブル オイル(マレーシア)
  • 不二製油(張家港)有限公司(中国)
  • フジオイル ヨーロッパ(ベルギー)
  • フジ オイル ガーナ
  • フジオイル(タイランド)

具体的な取り組み

プロセスコンタミナント低減への対応

プロセスコンタミナントの低減に向けて、サプライチェーンのさまざまな段階で取り組みを行っています。
使用原料におけるコンタミナントの低減では、コンタミナントのリスクが少ないサプライヤーの選定を行い、協業を始めています。川上からサプライチェーンを管理することで、コンタミナント混入のリスクを低減します。
また、製造工程段階においては、コンタミナントの生成を低減し混入を抑制するために、風味や色調などの油脂の品質に極力影響しないコンタミナント低減法を開発し現場に導入するなど、特許を取得した当社グループ独自の手法を活用しながら市場や顧客が期待する品質レベルへの対応を行っています。今後も取り組みを強化していきます。