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ニュースリリース

2019年7月1日責任あるパーム油調達に関する取組み状況について

1. 趣旨

不二製油グループ本社株式会社は、2016年3月に「責任あるパーム油調達方針」(以下:調達方針)を策定・公表いたしました。この調達方針は、当社グループのすべてのパーム油製品について、サプライチェーンを含めた森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ(No Deforestation, No Peatland and No Exploitation :NDPE)へのコミットメントを掲げています。
https://www.fujioilholdings.com/pdf/en/csr/sustainable/160310.pdf

この責任あるパーム油調達方針を推進するための当社グループの活動の進捗については、半年ごとにステークホルダーの皆様にご説明しています。このレポートでは、2018年12月以降の進捗状況についてご報告いたします。
※トレーサビリティの状況に関しては、2018年7月~12月のデータを掲載しております。


2. 進捗

当社グループでは、調達方針を実践する為に、主に8つの取組みを推進しています。(下記、図1参照)
本レポートでは、2018年12月以降特に進捗の有った6つの取組についてご報告しています。
サプライチェーンの問題を特定するために、小規模農家、搾油工場、精製工場、サプライヤーと協働で取り組みを進めています。


<図1>調達方針促進のための主な取り組みの全体像

調達方針促進のための主な取り組みの全体像

■トレーサビリティ:図1(1)
当社グル―プは、トレーサビリティを追求することで、透明性が高く、森林破壊や泥炭地開発、搾取のないサプライチェーンを目指しています。当社グループが調達するすべてのパーム油について、搾油工場までのトレーサビリティを2020年までに100%にすることを目標としています。
2018年7月-12月の期間において、前回レポートから1%スコアが向上し、不二製油グループ全体で99%のパーム関連のトレーサビリティスコアを達成しました。このスコアは、パーム油(PO)のスコア99%とパーム核油(PKO)のスコア99%を合わせたものです。


搾油工場までのトレーサビリティスコア(%)
  2018年7月~12月 2018年1月~6月 2017年7月~12月 2017年1月~6月
パーム油 99 97 96 96
パーム核油 99 100 94 97
合計 99 98 95 96

スコアは地域によって異なりますが、前期(2018年1月-2018年6月)に比べ、パーム油調達スコアの向上傾向は維持されています。1%の向上は中国におけるパーム油のトレーサビリティが改善したことに起因します。これは、不二製油の全てのパーム油調達地域において、主にサプライヤーとのコミュニケーション強化を持続的に行った結果であると考えられます。不二製油グループは、自社の責任あるパーム油調達方針で表明するように、サプライチェーンの透明性を完全に約束しています。引き続き、当社グループはサプライヤーとのエンゲージメントを強化し、トレーサビリティスコアの向上に努めます。


※Earthworm Foundation
旧The Forest Trustが、そのミッションの拡大を反映する目的で2019年の上期にブランドと組織名を刷新し、Earthworm Foundationへと変更いたしました。
Earthworm Foundationはサプライチェーンのサステナビリティを改善することを支援するNPOです。2016年以降、不二製油グループはEarthworm Foundation と協働で、当社グループのサプライヤーを改善するために活動しています。計画の策定やモニタリングの実行、積極的な情報開示等の活動を含め支援していただいています。


※結果に関する留意事項

  • ・トレーサビリティスコアは、データの可用性、調達先の変更、時間の経過あるいはその他の問題に伴い変動する場合があります。
  • ・すべてのトレーサビリティの数値は、サプライヤーによって自己開示された情報に基づきます。オイルミルのGPS座標については、当社が直接保有する情報だけではなく、パートナーである国際的な非営利団体のEarthworm Foundation が保有する情報を使用しております。
  • ・また、一部のオイルミルデータに関して、Earthworm Foundation と当社のサプライヤーの間で秘密保持契約を締結しており、現在当社がこのデータを保有する計画を進めております。


■パルマジュ社のサプライチェーン改善活動:図1(2)ART (Aggregator Refinery Transformation) 計画
当社グループは2016年7月から、Earthworm Foundation と協力して「責任あるパーム油調達方針」を推進しています。方針を推進する戦略の1つとして、パルマジュ エディブル オイル社(マレーシアに所在する当社グループの一次精製会社、以下パルマジュ社)のサプライヤー(Crude Palm Oil(CPO)/Palm Kernel Oil(PKO))に対してART計画に着手しています。ART計画では、精製所や搾油工場、農園といったサプライチェーンのプレーヤーの協働によって、現場(農園・搾油工場)の変革を支援することを目的としています。


<図2>ART計画のプロセス

ART計画のプロセス

上記<図2>の通り、「①A社との改善活動」と「②A社以外のサプライヤーとの改善活動」の2種類の活動を行っています。


①A社との改善活動
A社と行った改善活動の成果は、下記の映像をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=sUWBgu07Tp8

Earthworm Foundationが開催した2018年の「パイオニア フォーラム」において、A社の活動は持続可能なサプライチェーンへの変革における好事例として紹介されました。「パイオニアフォーラム」は、パーム農園および搾油工場に好事例を紹介するためのイベントです。以下のURLにおいて、A社および「パイオニアフォーラム」の詳細情報を掲載しています。
https://sway.com/pLEOS156F4OgnrC7


②A社以外のサプライヤーとの改善活動
Tools for Transformationセルフアセスメントは、Earthworm Foundationが開発した、パーム油のサプライヤーが、自己評価を行い、当社の「責任あるパーム油調達方針」の要件(No Deforestation, No Peat, No exploitation)対する現状を把握することを手助けする為のツールです。Tools for Transformationセルフアセスメントは質問書を送り、サプライヤーに回答してもらうことによって、当社の「責任あるパーム油調達方針」に対するサプライヤーの現状を把握することができる当社グループとサプライヤーの両者にとって役立ちます。
過去6ヵ月間、当社は、パルマジュ社のサプライヤーに対して、 Tools for Transformationセルフアセスメントの導入に努めてきました。A社を含むすべてのパルマジュ社の、直接サプライヤー(7つの搾油工場)が質問書に回答しました。

2018年にパルマジュ社のすべてのパーム油の直接サプライヤーから回答を得られたことから、セルフアセスメントプロセスは完了しました。アセスメント結果に基づいて、3つの搾油工場について現場調査・確認を実施しています。また、今後はパーム核油サプライヤーに対して、セルフアセスメントを導入し、当社グループの調達方針に基づいて積極的なコミュニケーションを実施いただけるよう、エンゲージメントを継続して参ります。


■パルマジュ社以外の直接的サプライヤー(精製会社)に対する方針実行のためのエンゲージメント
(EPI:Engagement for Policy Implementation):図1(3)

「責任あるパーム油調達方針」実行に向けたサプライチェーンの進捗を把握するために、EPIを用いて、不二製油グループは搾油工場以外にもサプライヤー(この場合は精製所)とのエンゲージメントを約束しています。EPIは、サプライヤーの調達方針と当社グループの調達方針との間でどのようなギャップがあるのかを把握するためのプロセスです。EPI質問書は、直接サプライヤーである精製会社の取り組みの進捗を当社が把握するために使用されるもので、責任ある調達方針を実行する上で重要だと考えられる項目をカバーしています。
EPIの質問書は、パーム油サプライチェーン上の改善活動を達成する為に必要な、主要な6つの項目をカバーしています。

  • ・企業の方針、コミットメント
  • ・トレーサビリティの状況
  • ・グローバルなグリーバンスメカニズムと方針不順守守のサプライヤーに対する手続き
  • ・透明性
  • ・検証

当社グループは、2018年に直接サプライヤー(22社)に対して、EPI質問書使用してグローバルにエンゲージメントを実施しました。この活動を通して、直接サプライヤーのNDPEに関する取り組み状況を把握することができました。進捗状況の確認のために、EPI質問書に基づいて、それぞれのサプライヤーとの更なるコミュニケーションを開始しています。


■グリーバンス(苦情処理)メカニズム:図1(5)
当社グループは、NDPEの方針を実現する為に、当社グループのグリーバンスメカニズムを構築・公表しました。
グリーバンスの手順やリストは、当社グループのサステナビリティウェブサイトからご覧いただけます。
https://www.fujioilholdings.com/en/csr/grievance_mechanism/

グリーバンスリストは、四半期を目処に更新されます。また、当社グループでは、グリーバンスメカニズムを1年間運用した経験およびNGOやサプライヤーからのフィードバックを活かし、グリーバンスメカニズムの見直しを行っています。見直し後のグリーバンスメカニズムについても公表する予定です。


■インドネシアでのランドスケープアプローチによる改善活動
(Areal Prioritas Transformasi:APTランドスケープイニシアチブ):図1(7)

2017年に、当社グループのパートナーであるTFTが、インドネシアにおいて優先的な改善エリアのためのイニシアチブ(Areal Prioritas Transformasi : APTランドスケープイニシアチブ)を立ち上げました。このイニシアチブは、インドネシアのスマトラ島の、パーム油農園開発によって森林破壊のリスクにさらされている環境的に重要なエリアの様々なステークホルダーがともに取り組むために、「ランドスケープアプローチ」(特定した地域について、パーム農園に限らずNGOやコミュニティ・政府などのマルチステークホルダーが参画し、地域ごと改善を図るアプローチ。)を取っています。支援地域は、森林破壊の加速の脅威にさらされている森林植生地域としての重要度に基づいて選定されました。インドネシアでのAPTランドスケープイニシアチブの目標は、政府の土地利用計画プロセスを支援すること、および土地が環境・社会・経済の観点から適切に管理されるためにサプライチェーンの連携を促進することを目的としています。
不二製油グループがインドネシアから調達するパーム油の60%がスマトラ島由来であることから、2018年4月より1出資者としてAPTランドスケープイニシアチブに参画しています。
APT プログラムは主要な目標に対して取り組みを進めています。2019年4月時点で、アチェ タミアンおよび南アチェにおいて、ステークホルダーエンゲージメントの会合や協議の実施や、現地調査の実施およびワークショップの計画、ならびにタスクフォースの形成、および複数の政府機関や地域社会等との行動計画などを行ってきました。さらに、Earthworm Foundationにおいて、APT ランドスケープイニシアチブを加速するために、以下の事項について積極的な進展を図っています。

  • ・マルチステークホルダーイニシアチブと、鍵となるステークホルダーグループ間の調整
  • ・より良い効果測定のための協働

このAPTランドスケープイニシアチブは現在、農園開発の脅威にさらされている、インドネシアの貴重な熱帯雨林3つの地域を対象に展開されています。このうちの2つの地域は、オランウータンやトラ、ゾウやサイなどが共存する最後の土地と言われ、アチェ州に所在しています。

■マレーシアのパーム油業界と協働した「倫理的雇用(Ethical Recruitment)プロジェクト 」:図1(8)
RESPECTは、Earthworm foundationが設立した、労働者およびその家族の権利を保護するためのプログラムです。その下で、パーム油のサプライチェーンにおいて森林破壊や、労働者やコミュニティの搾取ゼロを実現するために、マレーシアにおいてはEarthworm Foundationが「倫理的雇用プロジェクト」を設立しています。不二製油グループは「倫理的雇用プロジェクト」に対して、Earthworm Foundationによる倫理的雇用のための人権デュー・ディリジェンスツールの試験導入のために、不二製油グループのサプライチェーン(パルマジュ社のサプライヤー)への実地調査について協力しています。このツールを使用して、Earthworm Foundationより好事例や現場でのリスクを特定いただき、レポートにまとめていただく予定です。
また、当社グループは、2019年6月にパーム油業界の倫理的雇用のためのマルチステークホルダーフォーラムに参加致しました。このイベントは、Earthworm Foundationおよびそのパートナーによって実施された、倫理的雇用のための好事例や課題認識を、搾油工場や農園会社に対して共有し、意識啓発を図ることを目的としています。当社グループは、この人権デュー・ディリジェンスツールの普及よって、サプライヤーが倫理的雇用に関して国際的に求められる水準に合致することを期待しています。


■ステークホルダーのコミュニケーションツールとしての、パーム油 ダッシュボードの公表
当社グループの持続可能なパーム油調達の取り組みに関してステークホルダーとのコミュニケーションを活発化する目的で、当社グループは2019年4月に、私たちの進捗状況を示す「ダッシュボード」を公表しました。「ダッシュボード」では、調達地域・トレーサビリティスコア・サプライヤー数などの最新のサプライチェーンデータや簡潔な進捗状況についてお知らせしています。
「ダッシュボード」は以下URLよりご覧いただけます。
https://www.fujioilholdings.com/en/csr/supplychain_database/



3. 今後の取り組み

当社グループはパートナーと協力し、引き続き「責任ある調達方針」の実行に努めます。ARTプランを継続し、Tools for Transformationセルフアセスメントツールを更に広くサプライヤーに使用いただくべく取り組んでいます。パルマジュ社にパーム核油を納めて頂いているサプライヤーや農園に対してTools for Transformationセルフアセスメントツールをご利用いただけるよう、2019年下半期に配布活動を行います。
EPIの回答に基づき、精製会社とのエンゲージメントを行っていきます。

さらに、グリーバンスへの対応の継続およびグリーバンスメカニズムの見直しを進めます。内容の確認後、グリーバンスプロシージャーにしたがって登録されたグリーバンスの進捗状況は、全てグリーバンスリスト上で公表いたします。また、当社グループはトレーサビリティスコアなどのサプライチェーンに関するデータについて、継続してダッシュボード上で更新して参ります。
https://www.fujioilholdings.com/en/csr/supplychain_database/

持続可能なパーム油調達の活動に関して、次回レポートは2019年11月に公表予定です。

以上

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