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ダイバーシティ経営の実践

マネジメント情報

事業活動との関わり

グローバルに事業活動を展開する不二製油グループには、人材の属性・価値観の多様性を尊重するという重大な社会的責任があります。また、社会価値が変化する中で社会に貢献し続けるためには、過去の延長線上ではなく将来を見据えたバックキャスティングの事業戦略が重要であり、創造性がますます求められるようになります。同質の集団の中で創造力を発揮するのは限界があります。社会への価値提供の側面からもダイバーシティは重要です。人材が活躍できる環境や風土を整えることが、創造性豊かな戦略に基づいた事業創出に資すると認識しています。

考え方

多様な人材が価値観と個性を発揮できる環境を整えることが、社会に対して持続可能な価値を創造し続けるための源泉になると考えています。不二製油グループでは、「不二製油グループ憲法」の中で「人のために働く」という価値観を掲げています。これは、仕事をする上で対峙する人の立場に寄りそって考えることを意味し、当社グループがダイバーシティを活かし、社会に価値を提供するための基本となる考え方です。
この考え方に基づき、2020年度に「不二製油グループ ダイバーシティビジョン」を策定しました。また、不二製油(株)においては、このビジョンに先駆けて、2015年に「ダイバーシティ基本方針」を定めています。

不二製油グループ ダイバーシティビジョン

ダイバーシティを楽しもう

世界の多様な人材がお互いに刺激しあい、イノベーションを起こしていく。この過程をお互いに楽しみながら、多様性に富んだ世界中の人々にさまざまな食シーンを通じておいしさと健康をお届けできるよう「人のために働く」を実践し、社会へ貢献します。

ダイバーシティ推進における重要な領域

不二製油グループでは、ダイバーシティビジョン策定に際して、ダイバーシティを推進する上での重要な領域として、性別、国籍、世代、専門性、経験を整理しました。従業員一人ひとりのバックグラウンドや個性が活きる姿を目指し、制度や意識の改革に取り組みます。

不二製油ダイバーシティ基本方針

多様な人材を幅広く求め、それぞれが持てる能力を最大限に発揮できる風土を醸成することで、社会への新たな価値提供を加速していきます。

  • 採用、育成、登用などの人材発掘の全段階において、人員構成の多様性を意識します。
  • 多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できるよう、柔軟性のある制度展開を行います。
  • 多様な人材の戦略的な活用を意識し、社会および会社への利益貢献へとつなげます。

推進体制

ダイバーシティ経営の実践については、最高総務責任者(CAO)の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会※2において進捗や成果を確認しています。ESG委員会の結果については取締役会に対して報告し、取締役会のレビューを受けています。

推進体制

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2020年度目標 2020年度実績 自己評価
不二製油(株):活きたキャリアの継続を目指したシニア層の活躍を推進 シニアの活躍に不可欠な要素を抽出し、これに働きかけるセミナーを50代の前半と後半に実施。
不二製油(株):公正な競争環境の確保を目指した部門目標の設定と管理職の意識改革施策の実施(アンコンシャス・バイアスセミナーの実施など)
  • 全部門での2020年度推進目標の設定・推進担当の設置と実施状況のヒアリング。
  • アンコンシャス・バイアスセミナーの実施。
不二製油(株):多様化の推進を目指した障がい者の職場開拓を実施
  • 障がい者職場実習の実施。
  • 地域のハローワークと連携した面接会の実施。
  • ※ アンコンシャス・バイアス:個人が持つ、無意識の思考のパターン、考え方の癖。自然界で大量の情報を瞬時に処理・対応して、生きていくために獲得した能力だが、現代では環境の変化に対応できないことなどが問題となっている。そのため、時折バイアスを意識し、修正することが必要となる。

考察

シニアの活躍推進に関しては、全社的な取り組みと各部門のダイバーシティ推進目標への落とし込みを同時に図ったことにより、推進が加速しました。
部門目標の設定に関しては、各部門に推進担当を置くことにより、より現場の状況を踏まえた、実質的な改革が進みました。
アンコンシャス・バイアスセミナーでは、オンライン会議システムを併用したことにより、双方向のコミュニケーションが可能になり、理解度が向上しました。
障がい者雇用率については、採用後の定着により重きを置く施策への方針転換や定年退職数の増加などにより、一時的に減少しています。

ロードマップ

イノベーションの源泉としてダイバーシティが経営を支え、おいしさと健康で社会に貢献し続ける姿を実現するためのロードマップを下図の通り整理しました。不二製油グループでは1999年度よりダイバーシティの推進に取り組み、これまでキャリアの継続にかかる全社的な制度や施策の強化を行ってきました。2020年度以降は新たなフェーズとして、経営陣によるコミットメントの強化のもとで、各部門におけるダイバーシティを実践しています。

  • ※FDM:Fuji Diversity Management

Next Step

ダイバーシティ経営の実践において、これまでグループ全体を視野に入れた取り組みが十分でなかったことを課題として認識しています。この課題への対策として、以下の2021年度目標に取り組んでまいります。

グループ全体

  • 不二製油グループ憲法の浸透
  • 各地域の課題認識や活動状況把握
  • 次期・将来の経営人材の選抜と育成
  • 日本人駐在員ポストの現地化推進
  • グローバルビジネス環境にフィットする海外幹部候補の養成

日本

  • 多様な働き方の促進
  • 公正さの確保
  • 障がい者の長期活躍の支援

また、今後は、グループの方針や地域ごとのロードマップを決め、それに基づき活動を推進する体制へと整備を進めていく予定です。地域それぞれの課題を認識し、対策を講じることで、グローバルでダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進してまいります。

FDM3.0施策

具体的な取り組み

日本における取り組み

活きたキャリアの継続を目指して

シニアの活躍

全ての従業員が当事者となるシニア層の潜在能力を引き出すことに注目し、今期のダイバーシティ推進の主要な柱の一つとして位置づけています。2020年度はシニアの活躍に不可欠な要素を抽出し、これに働きかけるセミナーを50代の前半と後半に各1回実施しました。また、部門目標の中では、現場の実情に合わせた配置や活用についての検討を行いました。

ライフイベントを乗り越える

不二製油(株)では、永年にわたり女性の育児休業取得率100%を継続していますが、育休後のキャリア形成という面では課題もありました。そこで2014年度以降は支援のあり方を大きく方向転換し、それまでの雇用の継続を意識した制度に加え、ライフイベントを乗り越えてキャリアを積極的に構築していこうとする層をサポートするさまざまな制度を取り入れています。
2016年度には、入社3~5年目の若手女性に向け、ライフイベントを乗り越える研修として、生涯を通したキャリアの形成、両立支援制度、世代間の相互補助の形成についての提案、ロールモデルの提示などを行っています。現在、この層が出産やキャリアの発展期を向かえ、しなやかに逞しくキャリアを形成する新しいロールモデル像を作り出しています。
また、2014年度から上司・配偶者・男女の育児勤務者の3者による面談形式で実施してきた育児休業フォローアップセミナーにより、育児勤務者を取り巻く家庭・職場での支援の輪の形成や、育児勤務者自身の意識の変革が進展してきています。2019年度には、本セミナーの骨子をまとめた小冊子「育休復帰おたすけノート」(上司版、育児勤務者版)を配布しています。
現在、女性管理職に占める育児勤務者も45%となっており、ライフイベントの有無にかかわらず、キャリアを形成できる体制が整ってきたことを示しています。

ライフイベントを踏まえたフォロー体制の整備

公正さの確保

部門目標の設定

トップ方針を組織活動に完全に根付かせるため、2020年度は各部門での課題把握、目標設定、推進メンバー設置を実施しました。目標と成果については、定期的にESG委員会などで報告しています。部門状況により、ダイバーシティの推進にばらつきのある状態を可視化することで、さらなる改善へとつなげていきます。

管理職の意識改革

機会の均等を確保するためには、人材育成の中心を担う管理職のあり方が最も重要です。このため2019年度以降、管理職を対象とする人材育成やダイバーシティマネジメントに関する研修を充実させてきました。2020年度は、アンコンシャス・バイアスセミナーなどを実施しました。

多様な人材の活用推進

女性の活躍推進

1999年度に不二製油(株)のトップ方針として女性活躍推進が打ち出され、これに対して女性活躍推進委員会(現:Fuji Active Network)を立ち上げ、本格的な取り組みを開始しました。現在、管理職に占める女性の比率は11.30%です。今後、採用・育成における機会の均等をさらに重視する必要があると認識しています。採用に関しては、新卒の総合職に占める女性の割合は、2017年度以降、毎年ほぼ5割で推移しています。また育成面に関しても、仕事のアサイン、OJT、OFF-JTを含め、より公正な運用を推進しています。
このほか、2016年度より、内閣府の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に、不二製油グループ本社のCEOが賛同しており、従業員ならびに社会に対して、経営におけるダイバーシティの重要性を発信しています。

外国籍社員の採用

不二製油(株)ではさまざまな能力を持つ外国籍人材を採用しており、研究開発、企画、管理など多くの分野で活躍しています。国籍を理由とした待遇差はなく、個人の特性やスキルを尊重した職場配置を行っています。また、お祈りなどができる多目的室の設置など、宗教・慣習を尊重した職場づくりに努めています。

障がい者の活躍推進

不二製油(株)ではこれまでも障がい者雇用に取り組んできましたが、2015年度からは多くの職場で活躍いただけるよう職場開拓に注力しています。地域の学校との連携や、職場体験実習の実施、先進企業との情報交換を通し、体制を整えています。一人ひとりの個性に配慮しながら、活躍の場を提供する、という基本姿勢に立ち返ることで、育成にあたる管理職の意識改革にもつながっています。
2020年度は、地域ハローワークと個別面接会を企画、実施したほか、いままで配属のなかった不二製油グループ本社内での雇用を創出しました。雇用率については、採用方針の転換や、定年退職数の増加などにより、一時的に減少しています。今後は、丁寧な定着支援など長期的な目線での取り組みを進めていきます。

LGBT

不二製油グループで実施した人権週間の一連の活動の中で、理解浸透が道半ばであるLGBTに関するセミナーを2020年度に実施しました。当社グループの性的マイノリティである従業員が、自ら手紙を通して研修への積極的な関与を図ったことにより、多くの従業員がごく身近なダイバーシティの事例として、LGBTを捉えるきっかけとなりました。結果、役員をはじめ多くの従業員がアライ(支援者)となり、公式・非公式を問わず、支援の輪が広がりつつあります。

研修参加者の声

LGBTに限らず、人間は種々の価値観や考え方、個性、環境の中に生きています。そのそれぞれは、その人物の価値を決めるものではなく、その人がその人であるためのものです。
企業は同じ目的のために働いて、社会に価値を創出していく団体であり、人に順位をつける組織ではありません。本来の業務以外のことで批判したり、仕事をしづらい環境を作ることは絶対に許されないし、人間としての尊厳を冒すことはあってはならない。「人のために働く(当社のバリュー)。」そのことを改めて考えさせられました。

非正規雇用の正規化

2017年度から、有期雇用契約の対象であった「準社員」を期間の定めのない「地域限定社員」に改めました。また、活躍の意欲にあふれる非正規雇用社員を対象に、年1回、正社員登用試験を実施しています。2020年度には男女合わせ3名を登用しています。今後も本制度を通じて、能力と意欲のある人材の積極的な登用を図っていきます。

従業員主体の取り組み

ダイバーシティ推進のための重要施策の一つとして、1999年度より、部門横断的なプロジェクトであるFuji Active Network(FAN)を運営しています。人事担当役員がプロジェクトオーナーとなり、従業員自身がイニシアチブを取って、実際のニーズに根ざした草の根的な活動を実施しています。2020年度はアンコンシャス・バイアスセミナーを主催しました。社内をリードする多くのダイバーシティ施策がFANを通じて生まれています。

各種制度の利用促進

不二製油グループではダイバーシティ推進において、常にトップからの強力な発信がなされています。一方で、従業員が自ら気づき、行動を起こすことも重視しています。上辺だけの成果を追い求めるのではなく、風土に根付き、従業員に腹落ちする形のダイバーシティを目指しています。
その一環として、ワーク・ライフ・バランス支援の制度についても、利用者層の拡充を図っています。最近では、多くの従業員が当事者となり得る介護休業制度と男性育児休業制度について取り組んでいます。
2013年度以降、介護セミナーの開催や介護ハンドブックの配布により、介護について相談することがごく普通の社風になるよう啓発を行っています。加えて、2016年度より介護費用の補助を実施しています。これにより、介護制度の利用者は管理職や男性社員も含め徐々に出てきています。
男性育休については、あくまで自由意志での取得を基本としていますが、取得促進には2014年度以降継続して取り組んでいます。2020年度は男性育休の取得率は73%となりました。2019年度までは、休業期間は1週間未満が中心でしたが、2020年度に入り数ヵ月~半年を越える取得者が複数出てきており、制度が根付いてきています。

働き方改革推進の全体像

不二製油(株)では、ダイバーシティの実現に欠かせない働き方改革を推進するため、2016年度に「Creative Workプロジェクト」(現:CWORK推進会議)を立ち上げました。生産性の向上による総労働時間の削減およびワーク・ライフ・バランスの向上を目指し、意識改革、業務改革、制度改革、職場創生の4つの改革に取り組んでいます。
2017年度からは、在宅勤務制度をさらに発展させるべく、段階的にテレワークを拡大、サテライトオフィスの導入も行い、新たなワークスタイルを検討しています。併せて、RPAの導入、申請フローの電子化、オンライン会議システムの積極利用により、コミュニケーションの活性化、ペーパーレス化も推進しています。これらの取り組みにより、新型コロナウイルス(COVID-19)への対応では、全社的な在宅勤務への移行がスムーズに行われ、大きな停滞も無く事業を継続しました。これを契機に、ITを活用して、時間や場所にとらわれずに成果を発揮できる仕組みをさらに定着させていきたいと考えています。

社会からの評価

2021年6月時点までの、ダイバーシティに関連する主な外部評価は以下の通りです。

  • 2017年3月

    大阪市女性活躍リーディングカンパニー 「市長表彰」受賞

  • 2017年8月

    厚生労働省「プラチナくるみん」認定

  • 2021年6月

    「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」「MSCI 日本株女性活躍指数(セレクト)」構成銘柄 継続採用

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