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不二製油グループ本社

2020年 不二製油グループ本社 社長年頭挨拶

2020年1月6日

代表取締役社長 清水 洋史

新年、明けましておめでとうございます。
 
2017年からの中計“Towards a Further Leap”は、次への飛躍を目指して立案されました。中計の4年間を「起承転結」で表すと、昨年の2019年は“転”の年でした。変化、飛躍をしないといけないということですから、間違いなくこの起承転結のハイライトは “転”の年にあたる2019年だったということになります。1月にはブラマー社がグループに加入、4月にはC”ESG”O(最高ESG経営責任者)を設け、変化の中で勝ち抜く基盤を整えました。不二製油グループが今後生き残っていくための戦略の年でもあり、ESGに対する強い覚悟を示した年でもありました。MOT, MOEに加え、MOSの三軸経営を打ち出したのも2019年です。

AI, IoTの技術は日進月歩で発達し、“Disruption(断絶)”はますます現実味を帯びています。これからを考えるときに区別すべきは、フォアキャスティング、バックキャスティングという考え方です。過去のデータや経験などをもとに、「今」を起点として未来を考え、改善策を積み上げていくのがフォアキャスティングです。一方、バックキャスティングは「未来」を起点としどんな会社になりたいのか、ありたい姿から現在すべきことを考えます。過去の延長線上に未来はないと言われるほど変化の激しい現代では、この“バックキャスティング”の考え方が非常に重要です。現状から未来に向かって考えるだけでなく、2050年からバックキャスティングして飛躍を果たしていく必要があり、それについてはすでに検討を始めています。

ものだけが価値を生み出す時代は終わりました。“もの”と“こと”が結びついて初めて価値になる時代です。感動を与えるものはことづくりです。イノベーションを起こすのは研究者だけではありません。価値観が多様化している今、世の中を見て、何が価値かを考える。ものだけで価値が生まれない時代は、言うなれば全ての人がイノベーションを起こせる時代なのです。

不二製油はもともと、無味無臭の油脂やたん白を作ることを得意としてきました。クリームやチーズ素材を作るための発酵技術もまた然りです。しかしここ十年ほどで、DTR製法の呈味増強効果のある油脂など、油そのものに味や機能を付ける技術が進んできました。これからその技術を応用し、たん白と組み合わせることで、バターよりおいしい豆乳クリームバターや、ビーフよりおいしい大豆ミートをつくることも夢ではないと考えています。不二製油には、代用品で未来をつくる力があります。代用品と呼ばれてきた歴史を持ちながら、それが代用品でなくなる日が必ず来ます。代用品はいわばサステナブルフーズであり、不二製油はサステナブルフーズのプラットフォーマーを目指していきます。「人のために働く」とは、「人の困りごとを解決する」ことに他なりません。2050年に人口が97億人を突破すると言われているなか、このように不二製油はそれを解決できる手段を持っているのです。

経済的価値が社会的価値に結びついていく時代です。不二製油は1950年の創業以来、「人のために働く」の精神のもと、社会に価値を生み出すことに一貫して取り組んできました。この点では、サステナビリティの先頭を走る企業になれると自負しています。

ついに、2020年がやってきました。サステナブルフーズのプラットフォーマーとなり、なくてはならない会社になる。我々はどんなロードマップを描いていくことができるか。SDGsが目指す2030年はもう目の前であり、2050年もそう遠い未来ではありません。