ニュースリリース
2019年 不二製油グループ本社 社長年頭挨拶
2019年1月4日
代表取締役社長 清水 洋史
新年、明けましておめでとうございます。
不二製油グループは、植物原料の持つ無限の力を最大限に引き出し、おいしくお届けすることで、人も地球もより健康になれる世界の実現を目指しております。
振り返ると、中期経営計画「Towards a Further Leap 2020」の2年目に当たる2018年は、まさに土台を積み重ねる一年でした。起承転結で表すと、2017年にまず事を「起」こし、起きた状態をしっかり維持できるよう土台を積み重ねる「承」に取り組んだのが昨年です。本年は、積み重ねた土台「承」から、まさに飛躍=LEAPとしての「転」に至る。それが成し遂げられて「結」となります。
昨年は、アメリカやヨーロッパに統括会社の設立、オーストラリアのIndustrial Food Services社がグループに加わったことなど、不二製油グループのグローバルな存在感をより強固にするための取り組みを行いました。更に本年はアメリカのBlommer社を新たにグループに加えることで、環太平洋を主軸とした世界10カ国に16のチョコレート工場を有することになります。不二製油グループのコア・コンピタンスとして強みを活かし、グローバル市場に挑戦する資格を得ました。しかしこれは、飛躍への変革のチャンスであります。現状維持に危機感を持つ変革こそが不二製油グループの強みです。
2015年、国連は、加盟国全員一致でSDGs17条169項目(2030年 持続可能な開発目標)を採択しましたが、歴史や文化の違う世界各国がこれだけはと、共に地球環境の悪化や世界の貧困、平等、人権問題の改善を目指しています。
年々悪化する地球環境については、日本でも最近の地震や台風といった自然災害の規模の拡大や温暖化による異常気象を見ても明らかで、環境にやさしいサステナブル(持続可能)な原料調達、食料生産、食品加工が急務となっています。企業は本来、社会的存在で、社会に価値を提供できなければ存在し続けられないのですが、この人類の課題を解決(ソリューション)することこそが当社グループの企業価値となるのです。
世界の人々に共通する願いは「健康に生きること」ですが、そのためには健康な食べ物を食べ続けることが前提となります。人はおいしくなければ食べ続けられませんし、健康でなければ食べ物はおいしくないわけです。この課題を解決することが当社グループのアイデンティティーでありSDGsへの解決策となります。
つまり植物性の油脂と大豆たんぱく、そしてその加工食品として栄養健康の知見のもとに開発されたチョコレート、クリーム、チーズ様素材等・・・Plant-Based Foodで社会に貢献できるということです。あらゆる食品の問題を包摂する考え方であり、これこそが不二製油グループ憲法に掲げる「おいしさと健康で社会に貢献する」という意味です。
すでにパーム油やカカオ豆原料の調達においてはそれぞれ「責任あるパーム油(カカオ豆)調達方針」を定め、地球環境維持や児童労働などの人権に配慮した会社として表明しています。世界の投資家は、「ESG投資」を課題にしており、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)に明確な目標を持たない企業の評価を下げるようになりました。近年は、お客様も環境や人権に考慮した消費形態に注目しています。実際に商品を手に取る消費者の意識も、社会の役に立ちたい、環境に良いほうを選ぶ、という方が増えてきているのではないでしょうか。不二製油グループはメーカーであり、社会課題を解決するものづくりが本業ですが、そのものづくりの過程においてもESGに配慮して社会貢献できるよう、意識してESG経営を進めていきたいと思います。
最後に、不二製油グループ憲法ではバリューとして「人のために働く」を掲げています。社会に貢献する事業活動を行うことが私たち不二製油グループの果たすべき役割だと思っています。皆さんにはさらに想像力を鍛えて仕事に挑戦していただきたいと思います。
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