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不二製油グループ本社

責任あるパーム油調達に関する取組み状況について

2017年5月24日

不二製油グループ本社株式会社は、2016年3月に策定した「責任あるパーム油調達方針」に則り、パーム油調達に関する取組み状況を報告いたします。不二製油グループ本社株式会社の調達方針は、サプライチェーンにおけるあらゆるパーム油について、森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、および搾取ゼロを目指すことを約束するものです。今後も引き続き、目標の設定・定期的なモニタリング・積極的な情報の開示に努め、お取引先や関連するステークホルダーとの協働を推進します。

概要

本レポートでは、前回(2016年1月-6月)に続き、2016年7月-12月の期間に調達したパーム油・パーム核油のオイルミル(搾油工場)までのトレーサビリティスコアと、当社グループ会社であるパルマジュエディブルオイル社で新たに取組みを開始したART (Aggregator Refinery Transformation)計画の進捗を報告します。
2016年7月-12月の期間において、不二製油はグループ全体で94%のパーム関連のトレーサビリティスコアを達成しました。このスコアは、グループ全体で調達したパーム油のスコア93%とパーム核油のスコア96%を合わせたものです。
(参考:2016年1月-6月期 グループ全体のパームスコアは94%でした。このスコアは、パーム油のスコア93% 、パーム核油のスコア98%を合わせたものとなります。)

スコアは各地域によって異なりますが、前期に続き、ほとんどの地域で高い水準のトレーサビリティを達成しました。私たちは引き続きパートナーと協力し、お取引先及びサプライヤーが当社の方針について理解を深めることができるように取組みます。 不二製油グループは、責任あるパーム油調達に関する公式の進捗レポートを半年ごとに更新する計画で、次期レポートは2017年11月に公開予定です。



1.スコア報告

オイルミルまでのトレーサビリティを確保することは、不二製油グループのサプライチェーン内で製造および取引された油への責任向上に向けた当社取組みの第一歩です。パートナーであるTFT(The Forest Trust)と連携し、サプライチェーンのマッピング、リスクの特定、および現地での慣行改善に優先順位付けを行いながら取組んでおります。そして、2020年までにオイルミルまでの完全なトレーサビリティを達成することを目指します。

図1 オイルミルまでのトレーサビリティスコア
図1 オイルミルまでのトレーサビリティスコア


結果に関する留意事項
トレーサビリティスコアは、データの可用性、調達先の変更、時間の経過あるいはその他の問題に伴い変動する場合があります。すべてのトレーサビリティの数値は、サプライヤーによって自己開示された情報に基づきます。オイルミルのGPS座標については、当社が直接保有する情報だけではなく、パートナーであるTFTが保有する情報を使用しております。このスコアリングにおいては、GPS座標に関する情報を含んでいないオイルミルを暫定的にトレース可能と見なしております。また、一部のオイルミルデータに関して、TFTと当社のサプライヤーの間で秘密保持契約を締結しており、現在当社がこのデータを保有する計画を進めております。


2. ART (Aggregator RefineryTransformation)計画の進捗について

当社はTFTと協力して、グループ会社であるパルマジュエディブルオイル社のサプライチェーン内のパーム原油(CPO)およびパーム核油(PKO)サプライヤーに対しART (Aggregator Refinery Transformation)計画を実行してきました。この計画は、オイルミルやFFB(Fresh Fruit Bunches)サプライヤーが、当社策定の責任あるパーム油調達方針に沿うように移行することを支援するものです。

<取組内容について>
パルマジュエディブルオイル社のサプライチェーン内のパームオイルミルのうち1カ所と、そのオイルミルに関連するディーラーおよびFFBサプライヤーの現地視察を行い、当社方針との適合性の確認と、改善余地のある課題の発見に取組みました。また、マレーシア半島のパーム油業界の「森林破壊ゼロ・泥炭地ゼロ・搾取ゼロ(NDPE=No Deforestation, No Peat and No Exploitation )」方針に関する資料も調査しました。
現地視察にて発見された改善余地のある課題は、パルマジュエディブルオイル社の直接および間接のCPOおよびPKOサプライヤーが幅広く参加するワークショップ(= BLE(Broad Level Engagement))で検討するテーマの基礎といたします。BLEでは以下のテーマを検討する予定です。

・保護価値の高い(HCV)森林の保護
・高炭素貯蔵(HCS)森林の保護
・自由で事前の、十分な情報を与えられた上での同意
(FPIC: Free Prior and Informed Consent)
・環境に対する影響のマネジメント
・パーム油産業での労働搾取に対する労働法・規則の枠組み

<総括と今後の取組み>
この視察と調査により、サプライチェーンでの問題に対する不二製油グループの意識が大幅に高まりました。調査の結果明らかになった改善の余地ある課題とジョホール地方で広く認知されている問題には共通する点が多く存在し、パルマジュエディブルオイル社のサプライチェーンにおけるサプライヤーの多くも、発見された課題の多くに直面している可能性が高いことが示唆されています。

今後の取組みとして、評価対象となった現地と課題に対する最も適切な対処方法を協議し、その合意を目指します。その後、現地側には改善の為の重点的支援(i-SFT: Intensive Support for Transformation)を提案し、不二製油の方針との差を埋めるための支援を行います。この作業の後、 BLE(Broad Level Engagement)プロセスを開始し、パルマジュエディブルオイル社の全ての直接及び間接のCPO・PKOサプライヤーが参加するワークショップにて、認識された課題を広く共有し、考えられる解決策に共同で取組みます。