グループ会社一覧

ニュースリリース

お知らせ

不二製油グループ本社

年頭所感 挑戦と変革
~グループ本社制への移行

2016年1月4日




 あけましておめでとうございます。

 昨年は政府主導の金融・財政政策により、日本経済全体はやや回復基調に転じたように見られ、TPP加盟により更なるビジネス拡大を図っています。一方、世界を見ると中国経済の減速や新興国での成長鈍化に対する懸念、また昨年発生したフランス・パリのテロを発端に各地で不穏な動きが見られ、それにあわせ株価も大きく変動するなど、世界経済は非常に不透明な状況です。当社にとってもこれらの変化に対応すべく体制を整える必要があると強く感じています。

不二製油にとって、昨年はグループ本社制への移行という経営変革に歩を進めた年でもありました。なぜグループ本社制が必要であったか、それはこれまでの延長線上では生き残れない、世の中の変化に合わせて変革しなければならないという強い危機感をもったからです。
 1.グループ戦略機能の強化
 日本の企業は資本や資産の使い方が下手である、と言われています。原因のひとつに、企業のなかで経営と執行がしっかり分離されていなかったことが挙げられます。資本や資産を効率的に、積極的に活用できていないことで次の成長につながる姿が描けないのです。今回グループ本社制へ移行することで、グループ本社ではグループの戦略に特化して取り組みます。新規事業やM&Aを含む経営戦略の立案機能を強化し、グループ内の経営資源の配分を最適化します。
 2.各地域に応じた価値創造力の発揮
 私はグローバル経営には「コスト、スピード、現地化」がキーワードになると申し上げています。これまでは日本と海外という二極で見ていたものを、日本、アジア、米州、欧州の各地域に分け、地域内のグループ各社を統括する会社を設置し、その統括会社に各地での事業における方向性や意思決定など権限を委譲します。市場や顧客を一番よく知っている現地で考え、商品を開発し、販売する・・・各地域でのこれらの事業運営を強化することで経営のスピードを上げます。
 3.グローバルガバナンス体制の構築
 先にグローバル経営には「コスト、スピード、現地化」がキーワードになると申し上げましたが、その前提は「簡素化・透明化・分権化」です。株主、顧客、取引先等のステークホルダーに対し、透明で公正な経営体制を築き、次に繋がる成長を実現するために、グループ本社と各事業会社の役割と責任を明確にします。経営と執行を分離することで、グループ本社はグループ経営と戦略策定機能に、各事業会社は事業運営に特化します。グループ経営における最高経営責任者(CEO)、最高経営戦略責任者(CSO)、最高技術責任者(CTO)、最高財務責任者(CFO)を置き、グローバルガバナンス体制を強化します。
 4.経営者人材の確保・育成
 私は常々「価値づくり」についてお話ししています。技術に基づいた「ものづくり」に、ものがたりである「ことづくり」を加えることで、「ものづくり」は「価値づくり」になります。この技術を価値にする(ものづくりを価値づくりにする)ための「ことづくり」の原点は、人を感動させる力です。このためにはそれができる人を育てること、つまり「人づくり」が重要であると考えています。グループ本社では、グループの成長を担う次世代経営者の確保、育成を通して、経営資源であるヒトをグループ全体で最適配分します。

 現在、すでに当社グループ社員の半数以上が外国籍の社員です。これまで不二製油が継承してきた経営理念や方針を新たな具体的指針として「不二製油グループ憲法」を策定しました。全世界の社員が同じ方向を見つめ、「人の幸せ」「地球の幸せ」を考え社会的課題の解決に向けて取り組んでいきます。憲法ではミッションとして「私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します」を掲げ、おいしさと健康で人と社会に貢献することを私たちの使命としました。不二製油は人のために働く会社でありたいと、強く思います。ダイバーシティとESG(Environmental:環境、Social:社会、Governance:企業統治:ガバナンス)は、今年のキーワードです。

 今年は昨年の変革が形になる極めて重要な年となります。全グループ一丸となり、邁進していく所存です。

2016年1月1日
代表取締役社長 清水 洋史