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労働安全衛生の推進

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事業活動との関わり

事業活動の原動力は多様な人材です。就業形態の多様化、雇用の流動化などが進む中で、従業員の安全を確保することは企業の社会的責任であり、持続可能な経営を行う上での前提条件です。労働安全衛生を推進することで、従業員の健康に対して直接的に貢献できると考えています。

考え方

「不二製油グループ憲法」を構成するバリュー(私たちが行動する上で持つべき価値観)の最初に掲げている「安全と品質、環境」の中で、「労働安全」は成長を続けるために最優先すべきテーマです。また、安全衛生基本方針を定め、不二製油グループの従業員および事業所内にて働く全ての方々の命を守るとともに労働災害ゼロ達成を目指しています。

推進体制

不二製油グループ本社ESG部門長の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会※2において進捗や成果を確認しています。

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
重大災害ゼロ※1、重大物的事故ゼロ※2
  • 重大災害1件、重大物的事故0件
  • 重大災害としてフジ ベジタブルオイル(米国)で1名の死亡事故が発生
×
  • ※1 死亡事故、四肢などに後遺症の残る事故、長期入院(60日以上)事故。

  • ※2 公的機関から全工場停止の指示を受ける爆発・火災・物的事故。

考察

海外グループ会社で死亡事故が1件発生し、目標は未達となりました。労働安全意識向上のために指差呼称や危険予知訓練の教育を推進していますが、導入、定着には時間を要すると認識しています。VRを使用することで通常では体験することができない危険を体感することが安全意識の向上に寄与していると考えられます。海外グループ会社でのVRによる安全体感教育を継続し、安全意識の向上を推進していきます。

Next Step

2023年度の目標も重大災害ゼロ、重大物的事故ゼロです。目標を達成するために、従業員の安全意識を向上させることが課題と考えています。この課題への対策として、2023年度も引き続き以下の施策に取り組みます。

  • 指差呼称の導入および啓発活動の継続と定着のための施策の継続
  • 危険予知訓練の有効性の理解を促進する活動の継続
  • VRを利用した安全体感機器の導入など、安全意識の向上に役立てる取り組みの継続

具体的な取り組み

重大事故発生状況

2022年度にフジ ベジタブルオイル(米国)で1名の死亡事故が発生しました。不二製油グループ本社の生産性推進グループが現地を訪れ、現地チームと一緒に原因究明を行い、再発防止のための対策を講じました。併せて現地工場全体の監査も行いました。海外グループ会社では安全総点検を実施し、事故発生防止に努めました。

リスク管理と対策

労働安全衛生リスクは、全社重要リスクとして特定しています。「不二製油グループ憲法」に沿って各グループ会社と連携し、生産拠点ごとに労働安全衛生監査を実施してリスクを評価することで、事故の撲滅と管理レベルの向上に取り組んでいます。

労働安全衛生監査

国内および海外グループ会社で毎年計画的に実施しています。2022年度は国内生産拠点10ヵ所に対し、地域統括会社の不二製油(株)の安全品質環境監査室安品環監査チームが実施しました。海外グループ会社に対しては、前回の監査評価の結果に応じて次回の監査を計画しており、2022年度は生産拠点3ヵ所について生産性推進グループがリモートで労働安全衛生監査を実施しました。また、生産拠点4ヵ所には現地での監査を実施しました。リモートによる海外グループの安全品質環境監査については、事前の資料審査や、オンライン会議を通じた審査に加えて、ライブ映像による監査も実施しています。国内にいても映像を通じて現場を目視確認することが可能です。監査が実施された生産拠点では、指摘された是正項目の改善が行われた後、進捗確認とフォローアップを実施します。監査の実施、是正項目の改善、フォローアップ、監査のサイクルを継続することで、労働災害が発生しない現場を目指します。

多言語での注意喚起

海外グループ会社では、安全に関する注意喚起などを多言語の表示で行うことによって、使用する言語の異なる従業員が安全に業務を行うことができるように配慮しています。

フジ グローバル チョコレート(M)(マレーシア)での表示例

労使間の対話

労働安全衛生に関するリスク管理と対策を評価、改善するために、労使間の対話を重視しています。例えば不二製油(株)では、労働協約に基づき「労働安全衛生委員会」を毎月開催し、労働安全衛生に関する従業員の期待や懸念について協議を行っています。

マネジメント認証の取得

マネジメント認証の取得状況

サプライヤーの安全衛生

2021年4月公表の「不二製油グループサプライヤー行動規範※1」の「労働安全衛生」の項目では、全ての労働者に対する安全で衛生的な職場の提供、法令遵守、リスク管理について定めています。全サプライヤーに本方針への理解と同意書の提出をお願いしています。また、国内グループ会社のサプライヤーを対象とした「CSR調達ガイドライン第3版(2021年11月改訂)※2」の「人権の尊重・労働安全衛生への配慮」の項目では、安全で健康な職場環境の維持向上をお願いしており、国内グループ会社が調達する製品やサービスが同調達ガイドラインに沿っていることを、アンケートを通して確認しています。

教育

生産拠点での労働災害の防止を重要な課題と考え、対策に努めています。特に、作業の中で災害につながる不安全な行動や状況がないかをチェックし対策を講じるとともに、リスクマネジメントのPDCA推進とヒヤリハット活動、SOC活動などを実践し、全社一丸となって労働災害防止に取り組んでいます。

  • ※ 安全観察カード(Safety Observation Card)を使用し、危険箇所や安全上の懸念がある箇所を提案する活動。

安全に関する情報の発信

グループ全体での従業員の安全に対する意識向上が重要と考え、グループ内で発生した労働災害の情報発信、注意喚起を行っています。各グループ会社では電光掲示板や情報発信掲示板を設置し、日々安全について注意を呼びかけています。

安全意識向上教育

危険に対する感受性を高めることが安全意識の向上につながると考え、不二製油(株)と不二製油(張家港)有限公司(中国)には安全体感教室を設置し、海外グループ会社では危険体感ができるVR機の体験を順次開始しています。VR機は不二製油(株)および不二製油(肇慶)有限公司(中国)に常設しています。
国内グループ会社では、過去の歴史や災害に学び、ルールを守り失敗を繰り返さないことを目指した安全教育および体感教室の実施を通じ、安全意識向上を目指しています。さらに、自然災害などの有事に備えた訓練の実施や、停電時の避難にも有効なセンサーライトの設置など、安全安心に働くための環境づくりに取り組んでいます。
海外グループ会社では、指差呼称の導入や危険予知訓練の有効性の教育、安全伝承活動※1、安全ミーティング※2など、さまざまな安全活動を進めています。

  • ※1 過去に発生した労働災害とその対策を後世に伝え、従業員の安全意識の向上を図る活動。

    ※2 作業開始前にその日に注意しなければならない安全事項など、作業員に周知するためのミーティング。

フレイアバディ インドタマ(インドネシア)におけるVR機体験

関連資料