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健康的な食の提供

マネジメント情報

事業活動との関わり

不二製油グループは創業間もない頃から、植物性食品素材を通して社会課題へのソリューションを提供することを目指してきました。特に大豆や油脂の健康機能に着目し、大豆の栄養・健康機能の研究、DHA・EPA※1の安定化技術の開発などを進めてきました。世界では糖尿病をはじめとした生活習慣病、認知症などの患者数が今後大幅に増加することが予測されています。これらの健康課題を解消するためには、日常生活における予防が重要とされており、その中でも食が果たす役割は非常に大きいと考えています。当社グループは、現在および将来顕在化する健康課題を食により解消することを目指し、未来創造研究所※2で植物性食品素材の栄養・健康機能の研究を進めています。また、食の歓びにつながるおいしさを創造する技術を創ることで、おいしさと健康による社会貢献を目指しています。

  • ※1 DHA・EPA:ドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸の略称。体内で合成できず、食物から摂取する必要がある必須脂肪酸の一つで、記憶力・集中力の維持、中性脂肪低下など、さまざまな健康効果があることが報告されている。
  • ※2 未来創造研究所:最高技術責任者(CTO)直下の不二製油グループ本社の研究機関。地球環境、健康などのサステナビリティを軸にした社会課題解決型の研究に取り組んでいる。

考え方

未来創造研究所では2050年からのバックキャストにより未来の社会像・社会変化を描き、将来の社会課題を解決するための研究開発を推進しています。日本をはじめとして、欧州・米国・中国などが2050年に向けて超高齢化社会へ移行する見込みであり、超高齢化社会におけるウェルビーイングを実現することが喫緊の課題となっています。ウェルビーイングの実現には、心身の健康や生活における不自由の解消、社会とのつながりなど複雑な要素が絡みますが、まずは高齢者の健康課題(フレイル、認知症、メンタルヘルス、生活習慣病など)を食により予防することに注目し、次世代のコア技術の開発、大豆・油脂などの植物性食品素材の健康機能の研究を進めてまいります。

  • ※ フレイル:健康な状態と要介護状態の中間に位置し、加齢とともに身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。

推進体制

健康的な食の提供については、最高技術責任者(CTO)のもとで取り組みを推進しています。また、2021年度よりESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるESG委員会※2において進捗や成果を確認しています。ESG委員会の結果については取締役会に対して報告し、取締役会のレビューを受けています。

Next Step

健康的な食の提供において、高齢者の健康課題の予防に寄与するコア技術・素材・成分の見極めが重要です。この課題への対策として、以下の2021年度目標に取り組んでまいります。

  • 高齢化社会の健康課題解決に寄与する次世代コア技術の機能性検証
  • 高齢化社会におけるウェルビーイング実現に向けた取り組み計画の策定

具体的な取り組み

加齢に伴う認知機能低下の抑制に寄与する研究成果の発表

不二製油グループ本社および不二製油(株)は、国立大学法人島根大学医学部と高齢者の健康課題の一つである認知機能低下について共同研究を実施しました。不二製油(株)が開発した安定化DHAを含む乳飲料の摂取が高齢者の加齢に伴う認知機能の低下を抑制することを明らかにし、国際学術誌『Journal of Functional Foods』にて論文が掲載されました。本研究では、従来よりも低含量のDHAで加齢に伴う認知機能の低下を抑制することが確認されており、高齢化社会における健康課題を解消するソリューションの一つとして大きな期待が寄せられています。

社会からの評価

2020年5月、一般社団法人大阪工研協会から、工業に関する研究発明や現場技術の進捗改善に功績のあった人の顕彰を目的とした「工業技術賞」をいただきました。受賞タイトルは、「超高齢化社会に向けて新たなる機能性を付与した大豆ペプチド※1飲料『ペプチドアスリエータ4000』」です。不二製油(株)は、大豆ペプチドの脳機能改善に関する研究開発に加え、学校法人河崎学園大阪河崎リハビリテーション大学および大阪府貝塚市とともに包括的なフレイル・ロコモ※2・認知症予防プロジェクトの実践に関するプロジェクトチームを組成しています。今回の受賞は、研究成果だけでなく、産学官連携での「食と運動」を組み合わせた地域住民の健康と交流づくりに関する取り組みが高く評価されました。また、この産学官連携の取り組みは、2021年4月に公益財団法人運動器の健康・日本協会の「運動器の健康・日本賞」でも優秀賞をいただきました。

  • ※ その他の社会からの評価については、以下のURLをご参照ください。

    https://www.fujioilholdings.com/sustainability/evaluation/

  • ※1 大豆ペプチド:ペプチドとは、タンパク質の分解過程でできる物質のこと。大豆のタンパク質を酵素分解することで生成されるペプチドは大豆ペプチドと呼ばれる。
  • ※2 ロコモ:ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の略称。加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰え、要介護や寝たきりになることや、そのリスクが高い状態のこと。