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製品安全と品質の徹底

マテリアリティ

製品の安全性と品質

マネジメント情報

事業活動との関わり

食品素材メーカーは、フードサプライチェーンの一員として、食の安全に影響を与え得ることを認識しています。製品設計から原料調達、製造、出荷、そして消費者が口にするまでを考慮して、食の安全と品質を徹底させることが必須と考えています。

考え方

安全・安心な製品を社会に提供することを前提に、事業活動を展開しています。不二製油グループでは「品質基本方針」を定め、製品安全と安定品質の製品出荷を最優先に、製品設計からお客様にお届けするまでの品質保証体制の確立と強化に努めています。具体的には「品質保証規程」に基づく品質および食品安全マネジメントの強化、従業員の継続的な品質意識向上のための活動を推進することで、食の安全と品質の徹底に貢献できると認識しています(顧客および消費者を総称し、お客様と表現しています)。

推進体制

不二製油グループ本社ESG部門長の管掌のもとで取り組みを推進しています。また、ESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会※2において進捗や成果を確認しています。

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
重大品質クレームゼロを実現するための従業員の品質意識向上
  • 重大品質クレーム:0件
  • 現地監査およびリモート監査や不適合箇所のフォローアップミーティングを実施
  • eラーニング「品質保証規程(グループポリシー)」および「5S活動と定置管理」を実施(対象:各社の品質保証担当者)
各グループ会社の品質担当者とのコミュニケーション強化、食品安全文化・品質情報などの情報共有の促進
  • 自社および自国の品質情報を定期報告(四半期ごと)
  • テーマ「品質文化・食品安全文化の定着に向けた各社の取り組み」「2022年に実施した模擬リコール訓練記録」の自社事例をプラットフォームへ投稿・報告
  • ※ リコール(商品回収)が必要な、健康危害を与えるまたは法律違反している食品事故。

考察

新型コロナウイルス(COVID-19)により、従業員の感染防止対策といった管理面の負荷が大きくなりましたが、継続的な是正処置・予防処置の実施により、製造現場の衛生管理維持に努めたため、重大品質クレーム(リコール)は発生しませんでした。また、品質保証レベル向上、グループ内での品質情報共有を目的に構築したプラットフォームでは、自社および自国の品質情報を定期的に提供・共有できるようになりました。加えて、特定のテーマのもと自社事例を共有し合うことで、他社事例を学ぶ機会を作り、品質保証レベルの向上を図っています。

Next Step

品質クレーム削減とグループ会社の品質保証レベル向上が重要です。これら課題への対策として、以下の2023年度目標に取り組みます。

  • 重大品質クレームゼロを実現するための従業員の品質意識向上
  • 各グループ会社の品質担当者とのコミュニケーション強化、食品安全文化・品質情報などの情報共有の促進

具体的な取り組み

リスク管理と対策

品質マネジメント体制の強化

「不二製油グループ安全品質環境基本方針」を事業活動に適用するため、1990年前半から各グループ会社において品質マネジメント体制構築を開始しました。また、不二製油グループの「品質保証規程」を制定し、同規程に基づき各グループ会社の管理状況をモニタリング(安全・品質・環境監査)しています。
お客様からの品質に関する苦情、クレーム、お問い合わせについて、当社グループでは営業部門やお客様相談室が受け付けています。これらは各グループ会社の品質保証部または品質保証を担っている部署で精査され、適切な部署で検証や調査を実施しています。その後、責任部署の確認を経て営業部門からお客様へ回答しています。また、各グループ会社で受け付けしたお客様の苦情、クレームのデータは、各社が収集・分析しています。不二製油グループ本社はそれらの情報を集約・分析し、経営会議に報告の上、グループ会社全体で情報共有しています。
加えて、包括的に品質保証に携わる品質管理者間での情報共有の促進ならびに品質保証体制の向上を目指し、品質管理者間のネットワークの構築を進め、取り組みの共有・グループ内の好事例や管理ノウハウの横展開を行っています。本ネットワークの活用により、他グループ会社との経験知の共有や、他国における最新の食品規制情報および国際的な食に関するトレンドのアップデートを行うことで、製品安全・品質に関する新たな課題や潜在的なリスクの低減・解消に努め、安全・安心の向上に向けた継続的改善につなげるとともに、問題発生時には相互協力により速やかな解決を図り、お客様のご不便の解消に努めます。

マネジメント認証の取得

マネジメント認証の取得状況

食の安全に関するリスク管理手法

食の安全に関するリスクについても、不二製油グループ全体のリスクマネジメントシステムの中で、各グループ会社および関係部門が管理・対応しています。

食の安全に関するリスクと対策

2022年度のリスクアセスメントの結果、食の安全に関して、異物やアレルギー物質、不適切な原材料の混入リスクが改めて認識されました。これらについては、食品安全マネジメント認証や品質マネジメント認証の取得、内部監査での重点的な評価・指導・改善、および3S活動や5S活動の実施強化により低減に努めています。

教育

各グループ会社の品質保証部や品質保証を担う部署が現地の実情に合わせて、従業員の品質意識の向上のために教育活動を計画・実施しています。例えば不二製油(株)では行動指針を掲げ、各工場での取り組みを支援するとともに、衛生講演会などを実施しています。2022年度は前年度に続き新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により例年実施の衛生講演会を中止し、代わりに品質に関する教育資料と理解度確認のためのクイズを作成、配布し、各職場で教育啓発活動を実施しました。そのほか、日本産業界の「品質月間委員会」が定める品質月間(毎年11月)に参画しています。品質月間では、品質テーマを決めて周知徹底を図るなど、従業員全員の意識の啓発に力を入れています。
また、不二製油グループ全体の品質マネジメント水準を向上させるべく、海外グループ会社に向けて、新たに導入した分析機器の技術指導を継続して行っています。グループ内の先進的な分析技術をほかのグループ会社に広め、より安全・安心な製品を世界中のお客様にお届けできるよう、今後もグループ間の技術交流を広めていきます。

製品表示

製品の表示内容は販売する国によって大きく異なるため、各グループ会社の品質保証部もしくは品質保証を担う部署が情報を収集し、各国・地域の法令にのっとった製品表示の徹底に努めています。
例えば不二製油(株)では、法令については品質保証部が毎日情報収集し、改正があれば日々配信する「食品安全情報」を通じて社内関係者に伝えることで、迅速かつ的確に製品表示に反映しています。また、製品表示の内容で法令に触れる誤りがないか、実際に表示する前に開発部門・生産部門・品質保証部などの担当者がチェックする仕組みを作り、管理を徹底しています。さらに、お客様が求める情報は、商品規格書や不二製油(株)ウェブサイトなどでタイムリーに開示することで透明化を図っています。
2022年度、製品表示に関する重大な違反は、国内および海外グループ会社において発生していません。

関連資料