グループ会社一覧

コミュニティとの共生

マネジメント情報

事業活動との関わり

不二製油グループは世界14ヵ国に主要拠点を有しています(2023年7月時点)。食文化は地域によって異なるため、食品素材メーカーという特性上、工場の操業や製品の販売などの事業活動を地域社会に根ざして行っており、コミュニティとの共生は事業の基本となる活動です。そのため、地域ごとの社会ニーズに沿った社会貢献活動をそれぞれの現場で行っています。社会貢献活動の推進は、従業員の働き甲斐向上やサステナビリティへの意識向上にもつながるものと認識しています。

考え方

企業は社会の一員であるという認識のもと、社会貢献活動や社会との対話を通して、地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。「不二製油グループ憲法」のプリンシプル(私たちの行動原則)にて地域に根ざした企業活動を行い、積極的に社会に貢献することを表明しています。地域社会の一員として、事業である「食」に関係する食育などの社会貢献活動を行っています。

推進体制

社会貢献活動については、それぞれの操業国・地域との関わりのもとで不二製油グループの各社が推進しています。グループ、あるいは地域横断的な社会貢献活動については、不二製油グループ本社ESG部門長管掌のもと、不二製油グループ本社ESG部門サステナビリティ推進グループが主導しています。

具体的な取り組み

主原料(大豆・パーム)を通した食育活動

不二製油(株)では、次世代を担う子どもたちに、世界の食糧問題や食の大切さを学び、人と地球の健康を考える「食育プロジェクト」を2014年度から特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクールと協働で実施しています。
2022年度は、訪問でもオンラインでも提供可能な3つのプログラム(大豆「地球環境と私たちの食」「食育ビンゴ」、パーム油「○○のヒミツを探れ!食べ物探偵団」)を展開しました。訪問・オンライン授業を計21校32回実施し、857名の小学生が、大豆やパーム油のチカラについて学びました。食育プロジェクト開始以降、累計で5,149名の子どもたちが参加しています。
食育プロジェクトに加え、新しく制作した動画によるカカオの食育イベントも開始しました。チョコレートの製造工程、カカオ産地の課題や解決のための取り組みなどを、子どもたちに親しみやすいキャラクター(カカオ王子)とともに学習する構成とし、同社の「サステナブル・オリジン」とも連動した内容となっています。ほかにも、学生や保護者の皆様にも不二製油グループで扱う原料を題材に「身近な食を通して持続可能な世界を考える」をテーマとした食育をお届けし、2022年度は9拠点250名以上にご参加いただきました。

大豆の食育授業(地球環境と私たちの食)の様子

カカオ食育プログラムのキャラクター「カカオ王子」

授業参加者の声

  • 大豆ミートや大豆クリームがどんな味がするか、とてもきになりました!!いつか食べてみたいです(3年生)。
  • 大豆ミートなどを使って、地球エネルギーを守り、10年、100年後にも、きれいな自然を見てもらいたい(6年生)。
  • 学校では教えてもらえない身近なことを教えてもらって、新しい発見と興味がうまれたと思います。環境問題は、地球全体で考えていかないといけないこと。小学校の頃から身近に感じて考えたりする機会になったと思います(実施校の先生)。
  • チョコレートのことやSDGsのことを学べてうれしかったです。チョコレート農園の子どもたちが勉強できますように(6年生)。
  • バイト先でパーム油やキャノーラ油を使っており、それが当たり前のように使っていた。油を生産するために森林伐採が行われ、地球温暖化などの環境問題があることを知って、もっと大事に使っていきたいと思った(大学生)。
  • 食で社会に貢献できることを知り、より食品会社への期待や興味が湧きました(大学生)。

SDGs for Schoolへの協賛

一般社団法人Think the Earthが中学生・高校生に向けてSDGsの理解浸透を図るため行っている「SDGs for School」は、持続可能な社会の実現について学び、行動を後押しするプロジェクトです。2021年に環境省より、環境保全活動や協働取り組みなどを行う「環境教育等支援団体」の指定を受けています。不二製油グループは2018年以降、継続してこのプロジェクトに協賛しています。2022年度は2021年度に引き続き、身近な食を通して環境問題を学習するための教材として、国内の高校4校へチョコレート(カカオバター配合品および植物油脂配合品)を提供し、計750名の生徒が気候変動や森林保全の大切さを学びました。

阪南の森プロジェクト

不二製油(株)では、本社のある大阪府泉佐野市の里山再生を目指し、2010年に「阪南の森プロジェクト」を開始しました。さらに活動を発展させ、2018年3月から大阪府営泉佐野丘陵緑地の公園づくりに社員がボランティアで参加しています。現地では地元ボランティア、大阪府、企業が連携して森づくりや竹林管理などに携わり、「企業の森エリア」にて月1回、里山の森を育てる活動を展開しています。
2022年度は、新型コロナウイルス(COVID-19)拡大による自粛や天候不順もあり、計4回(延べ65名参加)の実施でしたが、これまで竹を間伐してきたことで、以下のような効果がありました。

  • 遊歩道から竹林で隠れていた山桜が見えるようになり、大阪湾に浮かぶ関西国際空港や遠くは淡路島まで眺望が広がりました。
  • 森の中に日が当たるようになり森林の再生が始まり、昆虫や鳥などの生き物が徐々に確認できるようになりました。

フクロウやムササビが棲める豊かな森を目指し、引き続き公園づくりを行っていきます。

竹の伐採の様子

協働する大阪府担当者コメント

泉佐野丘陵緑地はSDGsの達成に貢献する公園づくりを目指し、地元を代表する企業の皆様とともに~いのち輝く森づくり~活動を実施しています。持続可能な自然と豊かな未来を実現するロールモデルとなる取り組みに大いに期待しています。

不二たん白質研究振興財団

大豆たん白に関する学術研究振興を支援する目的で、1979年より研究者の研究活動への助成を行っています。2012年には、内閣府所管の公益財団法人不二たん白質研究振興財団として、植物性タンパク質に関する研究助成活動の継承と発展および広く国民への情報公開に努めています。助成件数は累計1,200件を超え(助成総額は約12億円)、助成する研究もライフサイエンス・食文化・調理科学と多岐にわたります。
研究助成と並び重要な公益活動として、広く社会人を対象とした無料の公開講演会を開催しています。2022年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止対策を講じつつ、仙台市の仙台国際センターにて2名の先生にご登壇いただき、またウェビナーでのライブ配信も行いました(聴講者約150名、ライブ配信視聴者約100名)。

2022年度講演内容・演者

  • 「フードテックで変わる未来の食事」石川伸一先生(宮城大学)
    将来の食糧問題や環境問題を解決できる培養肉や植物性代替肉などの新しいフードテクノロジーの開発や、スマートキッチンに代表される機器と情報通信技術の融合(IoT:Internet of Things)とロボット化を含めた未来の食事について。
  • 「健康長寿を栄養から考える」葛谷雅文先生(名鉄病院院長)
    高齢者医療について予防の観点から臨床的研究に携わったご経験から、高齢者にとってフレイル(要介護状態になる前の段階)予防観点で大豆製品を摂取する意義と社会活動への参加の重要性について。

公開講演会前景

宮城大学 石川先生

名鉄病院 葛谷先生

起業への道筋を提供:ブラジルの低所得者向けチョコレートトレーニングプログラム

ハラルド(ブラジル)は、NGOや地方自治体と協働し、2019年からブラジルの低所得者層向けチョコレートビジネス起業プログラムを提供しており、2022年度は575名が受講しました(累計1,500名超)。参加者にはオンラインツールや材料が提供され、オンライン講座またはサンパウロを中心としたコミュニティキッチンや菓子店舗で実施しました。受講者の多くは女性や若年層で、少ない投資から始められ早く収益を得られると好評です。ほかにも、消費者向けに販売用のチョコレートやお菓子づくりの無料ワークショップを年間2,100回以上開催しました。トレーニングを受けた40名以上の講師が、実践的なレシピづくりを教えました。
また、Fundação Bunge財団と職業訓練のパイロットプロジェクトを進めています。外食産業への就職希望者に応え、サンパウロ近郊の若者を対象に、製パン・製菓・調理の資格コースを無償提供しています。選抜された15名は1年かけて専門資格を取得した後、実践の場で6ヵ月間キャリアモニタリングされ就職に備えます。

2022年受講認定者

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