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事業活動との関わり

植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の4つの事業を日本・米州・欧州・東南アジア・中国において展開しています。不二製油グループのバリューチェーンは社会課題の変化、国際関係や経済環境の変化などの影響を多方面から受けており、さまざまなリスクが潜在しています。

考え方

管理すべき重要なリスクとして12項目を選定し、リスクごとに管掌役員を定めて対応計画を策定しています。また、対応状況は取締役会に報告し、モニタリングを実施する体制を構築しています。

2023年度全社重要リスク項目
1 原料相場の変動リスク
2 財務・税務に関するリスク
3 法規制やコンプライアンスに関するリスク
4 グループ会社の経営リスク
5 食品の安全性に関するリスク
6 サプライチェーンに関するリスク
7 災害・事故・感染症に関するリスク
8 情報システム・セキュリティに関するリスク
9 人材の確保・育成に関するリスク
10 ビジネスの転換・変革に関するリスク
11 環境・人権に関するリスク
12 事業関連地域のカントリーリスク

推進体制

不二製油グループは経営会議を全社リスクマネジメント機関と位置づけています。経営会議では、経営陣の認識リスク、ESGマテリアリティマップ、各エリアの統括会社・グループ会社のリスクマップなど、グループを取り巻く環境を踏まえた多面的な情報ソースを活用して、経営への影響度、発生可能性、顕在化時期などを総合的に判断しています。その上で全社重要リスクを選定し、リスク対応策の立案、実施、進捗確認、評価・改善などを通じてグループ全体のリスクを管理する「全社リスクマネジメント体制」を構築しています。
各エリアの統括会社・グループ会社ではリスクマップを作成し、各社におけるオペレーショナルリスクを特定すると同時に、不二製油グループ本社の経営会議にて戦略上のリスクおよび財務リスクを特定しています。これらによってリスクを網羅的に把握した上で、特に重要なリスクを取締役会にて決定しています。また、これらの特に重要なリスクに対しては、2022年度よりサステナビリティ委員会※1の下部組織として設置した全社重要リスク分科会にて、メンバーの多様な視点により、リスク案の検討や対応策の適切性評価・確認などを行い、さらなる企業価値毀損リスクの低減を目指しています。

不二製油グループのリスクマネジメント体制

上記で決定された特に重要なリスクについては、各リスクの管掌役員を決定し、対応策を定めています。また、リスク管理を管掌するESG担当役員を中心にモニタリングを行い、定期的に取締役会に報告します。

リスクマネジメントシステムについては、不二製油グループ本社ESG担当役員のもとで取り組みを推進しています。また、ESGマテリアリティ※2の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において進捗や成果を確認しています。

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
不二製油グループにおけるリスクマネジメントの強化
  • 全社重要リスク分科会においてリスクに関する全社議論を実施(4回開催)
  • 各エリアの統括会社・グループ会社にて新リスクアセスメントならびにその結果に基づくリスクマネジメント会議を実施
TCFD提言に基づいた、気候変動に関連する財務的な影響情報の適切な開示
  • 有価証券報告書における2023年度TCFD情報開示の変更点に関する最新情報を収集
  • 全社重要リスク分科会において議論し、情報開示内容に客観性・妥当性を付与
TNFD開示対応の準備
  • TNFD最新情報を収集してグループ事業に関連する生物多様性課題を洗い出し、それらがグループ事業へ与える影響度の定性評価を実施

考察

選定された全社重要リスク項目について、全社重要リスク分科会および新リスクアセスメントを活用した各エリアの統括会社・グループ会社とのリスクマネジメント会議を通じた議論および対策が推進され、当社グループ全体のリスクマネジメント強化につなげることができました。
TCFD情報開示は適切な情報収集および関係部門との議論を通じ、リスク・機会の項目ごとに各シナリオにおける発現時期、影響期間、影響度を具体的に記載した結果、開示情報の正確性、適時性、適切性が付与されたことで、2022年度の金融庁「記述情報の開示の好事例集2022」の「有価証券報告書におけるサステナビリティ情報に関する開示例「環境(気候変動関連等)」」に掲載、評価されています
またTNFD情報開示は正式なフレームワーク公表に備え、多面的な情報収集の推進、および当社グループ事業における生物多様性課題の洗い出しを行い、開示に向けた準備を進めています。
なお全社重要リスク項目およびTCFD情報開示項目は、管掌役員により適正に管理され、その状況は全社リスクマネジメント機関である経営会議、およびモニタリング機関である取締役会に適時報告・承認されています。

Next Step

リスクマネジメントシステムを機能させ、リスクに強く、信頼され、社会になくてはならない企業となるためには、PDCA手法によるリスクの適正な管理と、その情報開示が重要であると認識しています。これら課題への対策として、以下の2023年度目標に取り組みます。

  • 不二製油グループにおけるリスクマネジメントの強化
  • TCFD提言に基づいた、気候変動に関連する財務的な影響情報の適切な開示
  • TNFDフレームワークに基づく、生物多様性に関連する適切な情報開示への準備

具体的な取り組み

グループ会社のリスクマネジメント手法

PDCA

不二製油グループ本社、各エリアの統括会社、グループ会社の役割を明確にし、各社内にリスクマネジメント委員会を設置しています。各グループ会社で行われるリスクマネジメントに関しては、このリスクマネジメント委員会が主体となって、「リスクアセスメント⇒リスク対応⇒自己チェック⇒レベルアップ(次年度計画立案)」のPDCAを回し、不二製油グループ本社、各エリアの統括会社、グループ会社間で連携を取りながら、リスクマネジメントを推進しています。リスクアセスメントでは、自社のリスクを可能な限り洗い出し、リスクマップ(縦軸:自社への損失・影響度、横軸:発生可能性)により評価の上、自社にとって損失・影響度が大きいリスクを「重要リスク」として特定しています。全ての「重要リスク」に対して対応方法を決定し、リスク低減を図っています。
緊急時においては、平時のリスクマネジメント委員会を母体に「緊急対策本部」を立ち上げ、グループとして迅速かつ適切に対応できるシステムを構築しています。

各グループ会社におけるリスクマネジメント

BCP

近年、自然災害の多発、感染症の蔓延、戦争や紛争などの影響による地政学リスクの高まりなどにより、経済・社会活動の継続に支障を来す被害と影響が発生しています。これらの被害や影響発生時においても、日々の暮らしに欠かせない、人々の命に関わる食品企業として、事業を停止することなくお客様へ製品をお届けすることが不二製油グループの社会的責任であり、そのためにBCP(事業継続計画)は欠かせないものと考えています。従業員の安全確保および事業資産への損害を最小限にとどめ、中核事業の継続・早期復旧を可能とするため、以下基本方針のもとにBCPを策定し、対策に取り組んでいます。具体的には、自然災害対応については、グループ従業員の安否確認システムの導入、安否確認システムや緊急連絡網を活用した安否確認訓練、大規模地震を想定した防災訓練の定期的な実施、情報システムの継続性確保などの取り組みを行っています。またさまざまな地政学リスクの影響を低減し、グループ全体のリスクへの抵抗力を高めるため、各エリアの統括会社・グループ会社からの最新情報をもとに関係部門が連携し、多面的な視点からリスクシナリオの構築と分析を行い、対策を講じています。これらの活動により、緊急時においても迅速かつ適切な初動対応を行い、従業員の安全確保と事業継続の両立、被害の最小化を図ることができるよう努めています。

BCP基本方針

  • 従業員・来客の人命を最優先する。
  • 二次災害を防止し、地域に迷惑をかけない。
  • 企業としての供給責任を果たす。

教育・啓発活動

不二製油グループ本社は、各グループ会社への定期的な訪問やオンライン会議などにより、リスクマネジメントに関する教育・啓発活動を実施し、各グループ会社におけるリスクマネジメントのPDCAサイクルの定着と質の向上を図っています。
2022年度は、サプライチェーン分断リスクへの対策の強化、グループ会社へ毎年度実施しているリスクアセスメント手法の見直しおよび新リスクアセスメントツールの導入に取り組みました。新リスクアセスメントツールでは、グループ各社におけるリスクを多面的に洗い出し、当該グループ会社視点からのリスク認識レベルおよびリスク発現時の影響レベルを算出・可視化しています。その上で各エリアの統括会社・グループ会社のリスクマネジメントレベル向上を目的とした「リスクマネジメントコミュニケーションミーティング」をリモートと現地訪問で実施し、リスクアセスメント結果の共有および対策の推進を促しています。
また2022年度も継続して、新任の海外赴任者8名を対象に、リスクマネジメントの基礎、不二製油グループのリスクマネジメントシステムについての研修を行いました。これらの活動により、リスクに対する従業員の意識、感度の向上に努めています。

リスクマネジメントコミュニケーションミーティング(ウッドランド サニーフーズ)