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コーポレートガバナンスの向上

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マネジメント情報

事業活動との関わり

株主・投資家、顧客、その他取引先などさまざまなステークホルダーや社会の期待と要請に応え、企業価値を持続的に向上させていくためには、個々の事業執行の的確な判断と迅速果断な遂行はもとより、事業の方向性や業務執行状況の適正さを適時にモニタリングすることが必要です。コーポレートガバナンスとは、そのための仕組みを整備し実際に機能させる取り組みであり、不二製油グループの事業が安定的に発展を続けるためには、この仕組みを弛まず向上させていくことが重要と考えています。

考え方

法令違反、不祥事などの企業価値を毀損するような事態の発生を防止し、かつ、迅速果断な意思決定と適正な業務執行がなされることを実現するための重要な仕組みとして、コーポレートガバナンスを位置づけています。
なお、不二製油グループ本社は、コーポレートガバナンスを一層強化することを目的とし、2022年6月より「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」へ移行しています。この体制のもと、取締役会の監査・監督機能を強化するとともに、監督機能と業務執行の分離を進めることで経営の意思決定の迅速化を図ります。

コーポレートガバナンス体制図

取締役構成

推進体制

取締役会運営については、最高経営戦略責任者(CSO)の傘下に取締役会事務局を置き、同事務局が取締役会の運営を担っています。経営会議の事務局と取締役会の事務局の両方をCSO傘下に置くことによって両会議の連動性(取締役会の要請・指示を的確に執行面に反映させることなど)を保持し、執行と監督双方の観点からコーポレートガバナンスを向上させることを目的としています。
事務局は、社内の関係機能や事業部門と連携し、あるいは社内外の取締役の意見を聴取して取締役会の議題や審議の場を設定するほか、毎年、第三者評価機関を登用して取締役へのインタビューや質問票(アンケート)により取締役会の実効性評価の調査を行い、結果を取締役会にフィードバックしています。取締役会はこのフィードバックを受けて、企業価値を向上させるために取締役会でいかなる議論が必要かを審議します。それらを取締役会の年間議題テーマに反映し、かつ経営会議の年間議題テーマとも連動させることで、執行側での経営に資する審議を促します。また、取締役会からの指示が執行側において適正に遂行されているか、経営会議の審議事項を取締役会において継続的にモニタリングすることで、コーポレートガバナンスの向上に努めています。
取締役会の諮問機関としては、「サステナビリティ委員会※1」と「指名・報酬諮問委員会※2」を設置しています。「サステナビリティ委員会」は不二製油グループがサステナビリティ経営を遂行するにあたっての重要な課題を審議するとともに、取締役会への活動報告やESGマテリアリティなどの諮問事項の答申を行っています。「指名・報酬諮問委員会」(委員長を含む構成員の過半数は独立社外取締役)は、CEOサクセッションプラン、CEO再任レビューを含む役員体制の検討、役員報酬KPIの検討など、取締役会から諮問を受けた事柄について透明性と客観性保持の観点から審議を行い、取締役会へ答申を行っています。

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
中長期的視点での方針・事業戦略面の議論
  • 世界情勢の不安定化を受けた経営環境の急激な変化により、取締役会でも短期的な対処に係る議論が行われたが、監査等委員会設置会社への移行で、モニタリングによる執行の監督という取締役会の役割が明確となり、経営の管理・監督機能が強化されたと第三者機関の評価を得た
  • 実効性評価の過程で、中長期的な視点が必要なテーマである「研究開発の方向性(組織体制や投資を含む)と進捗」などについて、審議機会を増やすなどの工夫が必要との認識がなされた
事業戦略、経営資源配分、財務・非財務両面での経営目標の設定
  • 中期経営計画「Reborn2024」にて、事業戦略や経営資源配分の方針の提示ならびに財務・非財務両面でのKPI設定がなされ、第三者機関より一定の評価を得た
  • 実効性評価においては、さらなる「中長期的視点での方針・事業戦略面の議論」に基づく議論が必要とされ、特に「研究開発の方向性(組織体制や投資を含む)に関する情報提供と議論」などについて、取締役会以外の場での説明機会の設定も必要との提案がなされた
グループガバナンスの強化
  • 成長戦略の推進、ポートフォリオの強化推進という観点では、エリア制の導入により一定の進展が見られた一方で、事業環境の不確実性の顕在化により経営・事業基盤の強化が優先される状況との認識が、全取締役を対象としたアンケート結果で明らかになった
  • なおこれに関しては、2023年4月の組織改定により、グループ本社の各機能部門と海外グループ各社との連携を強め、事業軸でのグローバル経営管理およびガバナンス・コンプライアンスの強化を図る
上記に関わる進捗・KPI管理の徹底と取締役会におけるレビュー議論(計画未達の場合はその原因分析とリカバリー策の確認)
  • 監査等委員会設置会社への移行を通じ、モニタリング機能の強化が進められ、外形的にも一定の成果が見られたとの第三者機関の評価を得た
  • 取締役会でモニタリングすべきKPIの設定に係る議論、ならびにそれに付随して権限委譲に関する議論の必要性が確認され、取締役会の目指すあり方に向けてさらなる努力が必要との高い意識が共有された

考察

2022年度の取締役会実効性評価について、代表取締役社長および指名・報酬諮問委員会委員長である社外取締役にインタビューを行い、さらに、取締役全員にはアンケートを実施しました。当該アンケート項目の設定にあたっては、事前に取締役会事務局が取締役全員の意見を集約して①前年度提起された課題に対しての改善度合いの確認、②監査等委員会設置会社移行により移行前に期待した変化と実際との比較、③新たなガバナンス要請への対応、④審議すべき事項の絞り込み、⑤事務局運営の5項目を評価できるよう第三者評価機関に依頼し、独自性ある設計がなされました。アンケートの結果、監査等委員会設置会社へ移行し、モニタリング型取締役会の具現化とグループガバナンス強化に向けた取り組みについて一定の進捗は評価され、取締役会において活発でオープンな議論が行われていること、ならびに軸足は企業価値の向上にあり、モニタリングが経営の質の向上に実際につながっていることなどが評価されました。一方で、以下のような課題が指摘され、モニタリング機能の向上は引き続き課題であり、目指すあり方に向けてさらなる努力が必要との高い意識をメンバーが共有しています。

  • 運営面の課題
    ①取締役会でモニタリングすべきKPIの設定に関わる議論の必要性
    ②短期と中長期の課題領域のより明確な区分けの必要性
     その上で、中長期的な視点が必要なテーマとして
     ・事業戦略の遂行とそれを支える経営資源(人材含む)配分の進捗
     ・研究開発の方向性(組織体制や投資を含む)と進捗
  • 役割・機能面の課題
    ①社内取締役の経営状況をより適切に社外取締役に共有する取締役会以外での説明機会の設計
    ②取締役会でモニタリングすべきKPIの設定に関わる議論(上記1.①)に付随する権限委譲への議論の必要性

Next Step

取締役会実効性評価を踏まえての議論は1回単発にとどまらず、各月適時に特定のテーマを定めて継続的に行っていきます。不二製油グループは、取締役会実効性評価に関する取締役会での審議の結果を受けて、翌年度の取締役会の年間議題テーマを決定しています。これら年間議題テーマの決定にあたっては、取締役会事務局が各テーマを担当する取締役や経営会議事務局と協議を重ね、経営会議と連動するように取締役会の議題スケジュールを設計しています。また、監査等委員会設置会社へ移行したことで、取締役会の実効性向上にあたっては監査等委員会の実効性確保が求められます。このため、2022年度は取締役会実効性評価の中で監査等委員会の実効性評価も実施しています。評価の結果は監査等委員である取締役のみならず、取締役全員に共有することで、当社ガバナンス全体として実効的に改善を図る仕組みを整備し運用していきます。

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