ニュースリリース
大豆β-コングリシニンの中性脂肪の低下効果(発表論文の要旨)
2002年2月12日
大阪赤十字病院心臓血管センター 神原啓文先生、京都大学名誉教授 鬼頭 誠先生、不二製油株式会社新素材研究所 広塚元彦、高松清治の共同研究による、ヒトへの脱フィチン酸大豆β-コングリシニンの作用が発表され、血中コレステロールを低下させるだけでなく、中性脂肪の代謝改善に効果のあることも示唆された。
これは従来、大豆たん白が血中コレステロールを低下させることはよく知られていたが、大豆たん白を構成する個々のたん白質の働きは解明されていなかったのに対し、大豆たん白の主構成たん白質の一つである大豆β-コングリシニンのヒトにおける作用を初めて明らかにしたものです。
これは従来、大豆たん白が血中コレステロールを低下させることはよく知られていたが、大豆たん白を構成する個々のたん白質の働きは解明されていなかったのに対し、大豆たん白の主構成たん白質の一つである大豆β-コングリシニンのヒトにおける作用を初めて明らかにしたものです。
方 法
予備試験において選ばれた、血清中の中性脂肪の変動が比較的少ないボランティア、男性12名、女性1名に対して、5gの脱フィチン酸大豆β-コングリシニンを含むビスケットを、夕食時、2週間継続して食べてもらった。
結 果
試験開始時の被験者の血清中性脂肪の平均値は133±66mg/dlであったが、2週間の摂取により120±45mg/dlまで低下した。特に、血清中性脂肪が150mg/dl以上の者に対しては、全員顕著な低下効果を示した。
6名の被験者においては、コレステロールも258±26mg/dlから247±24mg/dlにまで低下した。
加えて、血清リポたん白質(Lp(a))も有意に低下した。
<ご参考>
脱フィチン酸大豆β-コングリシニン
大豆たん白は、栄養的に卵や乳のたん白質に匹敵するアミノ酸組成を持っており、主としてβ-コングリシニンとコングリシニンの二つのたん白質で構成されています。また、フィチン酸と呼ばれるリン酸化合物を約2%含んでいます。フィチン酸はその電気的な性質により、たんぱく質の性質に大きく影響しています。今回の報告は、このフィチン酸を除去した大豆β-コングリシニンのヒトにおける作用を初めて明らかにしたものです。(フィチン酸の除去については「2001年3月15日 大豆たん白質の新しい分画方法と大豆β-コングリシニンの生理活性について」のニュースをご参照ください)
以上
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