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ニュースリリース

決算

不二製油グループ本社

決算発表

1999月5月13日

1999年3月期 決算を5月13日午後、東京および大阪証券記者クラブで発表いたしました。概要は以下の通りです。

99年3月期の業績(1998年4月1日~1999年3月31日)

(1) 当期の業績の概況

   当期の食品業界におきましては、長引く景気低迷で消費マインドが冷え込み、加えて円安により輸入原料コストが上昇するなど、業界を取り巻く環境は厳しい状況で推移いたしました。このような状況のなかで当社は、98年度にスタートさせた「21世紀に繋がる不二グループの中期計画(1998年4月~2000年3月)」の達成を目指し、お客様の視点にたった新製品の開発と積極的な提案型営業および新規事業の開拓に取組むとともに、引き続き全社を挙げてのコストダウンを進めてまいりました。
    その結果、売上高は955億41百万円(対前期比103.3%)と5期連続の増収、営業利益は50億84百万円(対前期比126.4%)、経常利益は51億17百万円(対前期比113.1%)と4期連続の増益になりました。なお、金融機関株式を中心とした株価の大幅な低下等に伴う評価損10億94百万円、およびグループ関連事業の改革・再編に伴う損失見込額として子会社貸倒引当金繰入額等11億90百万円を特別損失に計上したことにより当期純利益は22億19百万円(対前期比76.0%)となりました。

(2) 部門別概況

[ 油脂部門 ]

   期前半は円安とパーム油等原料相場の高騰の影響で採算が悪化し、苦しみましたが、期後半から円高に転換、相場も下降傾向が続き採算は改善されました。
   油脂全般の国内市場は消費低迷と競争激化が続くなか、フライ用油「クックパル」は外食、惣菜市場において、どんな素材でもイキイキとおいしさを引きだす等の機能が評価され引き続き着実に伸長しました。
   チョコレート用油脂は国内では前期実績を上回る実績を確保することができましたが、海外向けは、ロシア・東南アジア等の経済先行き不安が続くなかで、前期実績を下回る結果となりました。

[ 食品部門 ]

   チョコレートは夏場の天候不順の影響もあり、パン・冷菓用では全般的に奮いませんでしたが、生チョコがブームとなったことも影響して製菓用は底堅い動きを示しました。
   洋菓子市場の需要は引き続き低迷していますが、新規のデザート・パン市場等への拡販を図ったことや、デニッシュトースト用シートマーガリン「アートピアスイートミルク」が引き続き好調に推移したことに加え、豊かなチーズ風味と機能性を備えた植物性チーズ「ケーゼ」シリーズが大幅に伸びたことなどにより、製菓・製パンの原料全般では前期を上回る実績を上げることができました。
   シンガポールのウッドランドサニーフーズ社で生産しております、シチューやカレーのルーとして使われるベシャメルソースベースや冷凍パイ生地は、期の前半は円安の影響で採算の悪化に苦しみましたが、期後半から円高に転換し採算は改善されました。また、新製品の冷凍パイ生地「ドゥフェリーデ」シリーズは、クリーミイなバターの風味が評価され、順調に増加しております。

[ たん白部門 ]

   大豆たんぱく素材は、ハム・ソーセージ用途への新製品の投入や健康食品市場への新しいソフト提案が採用されたことなどにより、ほぼ前期並みの実績を確保することが出来ました。
   水溶性大豆多糖類「ソヤファイブ」は酸性乳飲料用途および米飯市場、麺市場向けに新製品を発売し、引き続き増加しております。
   大豆たん白食品は、新しいフライ・蒸しタイプの製品が順調に増加しました。小売用の「こつぶがんも」等は期を通じて順調に推移し、無店舗販売ルートでも新製品「絹がんもゆばひろうす」を中心に幅広い支持をいただきました。
   一方、業務用では産業給食や水産練製品の需要の冷え込みもあって苦戦いたしました。
   即席麺業界向け具材においても主力の油揚げ・天ぷら類が前期実績には及びませんでした。

今後の課題

   今後の経営につきましては 厳しい経営環境のもとでグローバルな競争力を備え、勝ち残っていくことが当社の進むべき方向であると考えております。そのためには当社の経営基本方針であります「顧客への貢献を果たし不断の発展を図る」「創造の精神をもって常に革新に挑む」「自己啓発を熾んにし人格の向上を目指す」ことにより、21世紀に通用する企業風土を作り、不二グループの会社目標であります「油脂とたん白を基礎原料とする生活産業」を更に拡大いたします。
    進行中の中期計画では、「全事業・全グループ会社の黒字化」「連結ベースの財務体質の強化」「お客様への貢献の基本であります新製品の開発」等々を目標に「グループ経営・グローバル経営・ローコスト経営・スピード経営」に取組んでおりますが、センタービル(本社ビル)の完成でこれをより一層推進いたします。
    不二グループは世界四大市場(日本、中国・アジア、アメリカ、欧州)の食ニーズに応えるべく事業展開を行っておりますが、日本国内では新設した阪南事業所内クリーム生産設備・大豆たん白食品新製造ラインの稼動により、新製品開発と品質向上をより一層目指すとともに、海外では不二製油(張家港)有限公司を拠点として、新たに積極展開を行ってまいります。
    新製品開発への対応としては基礎研究から市場までの開発を行い、不二の将来の新事業と現業分野での新しい芽の創出を目的とし昨年4月に新素材研究所を新設いたしました。
    品質管理面では、より安定した高品質の製品をお届けするため国際規格でありますISO-9001の認証を不二の全事業部・全製品群で取得完了し、海外では原料から世界市場に販売する製品までの品質保証を目指し、フジオイル(シンガポール)社に加え本年2月マレーシアのパルマジュエディブルオイル社、インドネシアのフレイアバディインドタマ社が各々ISO-9002の認証を、ウッドランドサニーフーズ社(シンガポール)がHACCPの認証を取得いたしました。
    環境問題への取組みとして環境マネジメントシステムの国際規格ISO-14001の認証取得に向け体制を整えました
    コンピューター西暦2000年問題への対応は、経営の重要課題であり海外を含め不二グループの業務継続性の維持及びお客様対応の両面で当社の情報システム室が中心となり万全を期して進めております。
    コーポレートガバナンスへの取組みとしましては、IR(インベスターリレーションズ=投資家に向け広報)担当部門を設置し、企業情報の開示をさらに進めるとともに、取締役会の活性化・強化、監査役の機能の強化などに注力してまいります。
   

現中期計画最後の年であります2000年3月期には、不二製油創立50週年の花(連結ベースでの収益体質の構築)を咲かせ、来るべき21世紀に向けて種(不二グループの新たな事業へのチャレンジ)を播くように不二グループの総力をあげて取組んで参る所存でございます。

配当政策

   よりグローバルな競争力を備えた企業となるべく企業体質を強化しつつ、株主の皆様に安定した配当を継続することを経営の重要課題としております。
    当期の年間配当につきましては前期と同様1株につき8円(内、期末配当4円)を予定しております。
    また、株主の皆様への利益還元を目的とした資本準備金による自己株式消却を順次実施しております。
    なお、次期の配当金につきましては、普通配当として当期と同様の水準を維持するとともに創業50周年記念配当2円を予定しております。

以上