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サステナビリティ

人権・環境に配慮した主原料調達

考え方

不二製油グループの基幹原料であるパームやカカオなどの農作物は、生産現場(農園)での環境・人権問題が社会的に懸念されています。また、製品供給の責任を果たすためにも、持続可能な方法で生産された、高品質で安全な原材料の安定的調達が重要だと考えます。当社グループは社会的存在として、環境的・社会的・経済的に持続可能な調達活動を推進します。

目標

不二製油グループのパーム油サプライチェーンにおけるNo Deforestation, No Peat, No Exploitation(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)の実現。
2020年までに、搾油工場までのトレーサビリティ(Traceable To Mill)100%を実現。

*泥炭地:地中に炭素を大量に固定している土地のこと。泥炭地の開発によって、大量の温室効果ガスが大気中に排出される。

進捗

パーム油の持続可能な調達に関しては、2018年5月に、「責任あるパーム油調達方針」に基づいてグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)を公表し、運用を開始しました。併せて、サプライチェーンの透明性を確保しグリーバンスメカニズムを効果的に運用するために、2018年6月に「サプライチェーン上の搾油工場リスト」を公表しました。
2019年3月には、「責任あるパーム油調達方針」の進捗状況をステークホルダーの皆様に対して簡潔かつタイムリーにお知らせするためのWEBページとして、「Dash Board」を作成・公表しました。2018年度下期の、搾油工場までのトレーサビリティは99%でした。
また、カカオの持続可能な調達を推進するために、2018年8月に「責任あるカカオ豆調達方針」を策定し公表いたしました。この方針に基づく活動として、エクアドルでのカカオ農家支援を開始しました。
今後は、パーム油については、受け付けたグリーバンスへの対応やサプライチェーン改善の検証、カカオについては農家支援の拡大、大豆に関しては考え方を整理することから始め、サプライチェーン上の人権・環境リスクの低減・是正を進めていきます。

DashboardはこちらのURLよりご覧ください。
https://www.fujioilholdings.com/en/csr/supplychain_database/

推進の仕組み

推進体制

不二製油グループ本社ではESG経営を推進すべく、取締役会の諮問機関としてESG委員会を設置し、ESG委員会の中で、サステナブル調達を含めたESGに係る重要事項を定期的に審議し、取締役会に提言・具申しています。
そして、CSO(Chief Strategy Officer)を最高責任者として、グループ全体の主原料のサステナブル調達の取り組みを推進しています。

従業員へのインセンティブ

事業活動を通じて社会に貢献する優れた取り組みを行った部門・グループ会社を評価する目的で、2016年以降、表彰制度「経営賞」において「CSRの部」を設けています。

パーム油

パーム油のサプライチェーンと不二製油グループの位置づけ

パーム油のサプライチェーン

考え方

パーム油と不二製油グループ

パーム油は、東南アジアなどの熱帯地域に植生するアブラヤシから取れる油です。ほかの植物性油脂と比べて加工しやすく単位面積あたりの収穫量が大きいため、食品から化学品まで幅広く使われており、世界の植物性油脂原料の中で最大の生産量となりました。しかし、市場規模が拡大する一方で、パーム農園がある地域において、農園開発に起因する環境問題や児童労働・強制労働などの人権問題が危惧されています。
不二製油グループは、基幹原料の一つとしてパーム油の可能性を追求し続け、新しい食文化を切り拓いてきました。パーム油の持続可能な調達を目指すことは社会的責任であると考えています。

責任あるパーム油調達方針

2016年3月、不二製油グループとして「責任あるパーム油調達方針」(以下、本方針)を策定し、公表しました。本方針では、人々と地球環境を尊重するサプライヤーから責任ある方法で生産されたパーム油を調達することを約束しています。当社グループは、ステークホルダーと協働して調達方針に即した調達に努めています。今後も、パーム油が持続可能な油脂原料として世界に受け入れられるよう、責任あるパーム油調達を推進していきます。

責任あるパーム油調達方針PDF(1.54MB)

具体的な取り組み

方針実現のための取り組み全体像

スクロール

取り組み 狙い
1.トレーサビリティの向上 サプライチェーンの把握
2.サプライチェーン改善活動 サプライヤーとの協業によりサプライチェーン上のリスクを低減
3.グリーバンスメカニズム サプライチェーン上の問題の早期発見・改善
4.RSPO認証油の供給 サステナブルな方法で生産されたパーム油の普及
5.UNIFUJI サステナブルなパーム油の供給力強化
6.学術機関・業界との連携 ステークホルダーとのコラボレーションによる人権・環境問題の効果的改善

1.トレーサビリティの向上によるサプライチェーン把握

サプライチェーンを改善するためには、不二製油グループが購入・使用するパーム油について、どの地域で生産されたものなのかを特定する必要があると考えています。2020年までに、搾油工場までの完全なトレーサビリティを実現することを第1段階の目標とし、NPOのEarthworm Foundation(旧名称:The Forest Trust)およびサプライヤーとの協働で、トレーサビリティの向上に取り組んでいます。
地域の商流の特性上トレーサビリティが困難であった中国のグループ会社において、サプライヤーに対するエンゲージメントやサプライチェーンの見直しを行った結果、2018年下期、当社グループ全体の搾油工場までのトレーサビリティは99%に向上しました。

*トレーサビリティ:食品の安全確保のため、生産履歴や流通経路を明らか(トレーサブル)にすること。その仕組み。

2.サプライチェーン改善活動

調達方針に基づき、パーム油生産現場(農園)での環境・人権問題を解決するために、サプライチェーン改善活動を実施しています。
①不二製油グループの中で、サプライチェーン上でパーム油生産現場により近い位置にある一次精製会社「パルマジュ エディブル オイル(マレーシア)」については、搾油工場と連携したサプライチェーン改善活動を展開しています。
②パルマジュ エディブル オイル以外のサプライチェーンについては、基本的には直接サプライヤーとのエンゲージメント(積極的働きかけ)を推進することで、サプライチェーン改善を図ります。一部のサプライチェーンについては、改善活動をサプライヤーと協働で開始しています。2018年度より、インドネシアおいては環境リスクの高い農園地域を対象とした改善活動を開始し、マレーシアでは移民労働者の権利を守るためのフォーラム(Ethical Recruitment Forum)への参画を開始しました。

*Ethical Recruitment Forum:NPOのEarthwormが主催する、マレーシアのパーム油産業における労働者およびコミュニティへの搾取ゼロを目指すプロジェクト。人権デュー・ディリジェンスツールの開発などを行っている。

サプライチェーン改善活動の全体像

サプライチェーン改善活動の全体像

① パルマジュ エディブル オイル(マレーシア) サプライチェーン改善活動

2016年10月より、不二製油グループのパルマジュ エディブル オイル(マレーシア)において、サプライチェーン改善活動を開始しました。初めに、同社のサプライヤー(搾油工場)に対して当社グループの調達方針を共有しました。その後、同社のサプライヤーのうち1社と、その搾油工場に関連するディーラーや農園の現地視察を行い、調達方針との適合性を評価し、課題の改善・是正を支援しました。支援の結果、2017年12月には、パルマジュ エディブル オイルのサプライヤーである搾油工場や農園で働く200名以上の移民労働者にパスポートが返却され、300名の移民労働者が彼らの理解できる言語で雇用契約書を締結することができました。
パルマジュ社のすべての直接サプライヤーに対し、当社グループの考え方をお伝えするセミナーを2回開催し、セルフアセスメントツールおよび課題改善ノウハウの提供を行っています。2018年度は、7軒の搾油工場からセルフアセスメントツールの回答をいただき、リスクを把握することができました。2019年度は、この結果に基づき、サプライヤーとともに具体的な改善活動を行うことで、さらにサプライチェーンの改善を進めるとともに、衛星写真を利用した森林保全状況の確認を行う予定です。

*改善活動の実績を動画にまとめています。下記URLをご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=sUWBgu07Tp8&feature=youtu.be

② サプライヤーとのエンゲージメント

不二製油グループのパーム油サプライチェーン全体を改善するためには、当社グループと直接取引のあるサプライヤーとのエンゲージメントが肝要だと考えています。エンゲージメントでは、当社グループの調達方針についてご理解いただくとともに、サプライチェーン上のリスクや、問題が発生した際のグリーバンスメカニズムの連携について協議しています。
2018年度は、当社グループのすべてのパーム油直接サプライヤー(精製会社22社)からセルフアセスメントの回答を得て、NDPE方針(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)の実現のための各サプライヤーにおける進捗を把握することができました。今後も継続して、直接取引のあるサプライヤーとのエンゲージメントを行い、リスク低減のための働きかけ・協業を進めていきます。
また、リスクが高いサプライチェーンについては、直接取引のあるサプライヤーと共同して、改善活動を行っています。2019年3月末時点で、インドネシアの「APTランドスケープイニシアチブ」とマレーシアの「小規模農家支援」の2つの改善活動に、サプライヤーとともに参画しています。

③ Landscape Approach

搾油工場までのトレースを行った結果、インドネシアのスマトラ島のサプライチェーンにおいて、環境・生態系の観点から重要なエリアが森林破壊のリスクにさらされていることがわかりました。このリスクを低減・是正するために、当社グループは2018年度より「APT( Areal Prioritas Transformasi)ランドスケープイニシアチブ」に参画しています。
「APTランドスケープイニシアチブ」は、農園開発の脅威にさらされている、インドネシアの貴重な熱帯雨林の3地域(アチェ タミアン・南アチェ・東リアウ)を対象に、地元政府・NGO・企業・農園等のマルチステークホルダーが連携して活動を展開しています。これらの地域についてはパーム農園に限らず、NGOやコミュニティ・政府などのマルチステークホルダーが参画し、地域ごと改善を図る手法(ランドスケープ アプローチ)を用いて、以下の主要な目標に向かって取り組みを進めています。

  • 計画のリーダーとしての地元政府の関与
  • パーム油農園区域内での森林破壊停止の条件整備
  • 小規模農家に代替の生計手段を提供し、コミュニティ単位で保全を強化することによる、パーム農園区域外でのパーム農園開発による森林破壊の予防
  • 搾油工場および農園による、NDPE方針促進のための現状の取り組み強化

2018年度はマルチステークホルダーワークショップの開催、地元政府とのエンゲージメント、土地利用状況のアセスメントなどを行いました。

④ マレーシア・ボルネオ島での小規模農家支援活動

パーム農園における環境・人権問題の要因の一つとして、小規模農家による生産性の低い農園運営が指摘されています。小規模農家が環境的・社会的・経済的に持続可能な農園運営のノウハウを得られるよう、不二製油グループは2016年1月、サプライヤーとWild Asia(NGO)による小規模農家支援プロジェクト(WAGS:Wild Asia Group Scheme)に参画しました。本プロジェクトでは、当社グループのサプライチェーンの一部の小規模農家における生産性向上と労働環境改善を目指し、4年間の教育支援を行います。
2018年度には、支援先の農家32軒が新たにRSPO認証を取得しました。2016年1月に当社グループがWAGSに参画して以降、累計で191軒の農家がRSPO認証を取得するとともに、17,041トンのRSPO認証パーム油が生産されています。
小規模農家によるRSPO認証の取得は、小規模農家が人権・環境に配慮したパーム油生産を行えるようになったことを意味しています。また、農薬の適切な使用方法の教育を通じて、小規模農家からは「使用する農薬量が減少し、コストカットにつながった」とコメントを得ています。2019年度も現地との対話を重視し、支援を継続していきます。

3.グリーバンス(苦情処理)メカニズム

「責任あるパーム油調達方針」を実現する目的で、2018年5月にグリーバンスメカニズムを構築・公表しました。このグリーバンスメカニズムは、ステークホルダーから不二製油グループに提起されたサプライチェーン上の環境・人権問題について、「責任あるパーム油調達方針」に基づいて直接サプライヤーとのエンゲージメントを行い問題の改善を促す仕組みです。透明性を持ってグリーバンスに対応するため、当社グループウェブサイトに「不二製油グループ グリーバンスWEBページ(英語)」を設置しています。本ウェブサイトにおいて、少なくとも四半期に一度進捗状況を更新し、ステークホルダーの皆様への情報開示に努めています。

グリーバンスWEBページは以下のURLをご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/en/csr/grievance_mechanism/

4.RSPO認証油の取り扱い

パーム油の持続可能な生産・消費体系を構築する趣旨に賛同し、不二製油グループは2004年より、RSPOに加盟し、認証油の取り扱いを進めてきました。
RSPO認証油の需要は欧州・米国を中心に高まっており、2018年、当社グループの認証油取扱量は約12万トンで、これは、当社グループのパーム油取扱総量の約17%です。認証油の要望に対応するため、グループ間のサプライチェーン改善、事業所のサプライチェーン認証取得などに積極的に取り組んでいます。

*RSPO:Round Table on Sustainable Palm Oilの略。持続可能なパーム油のための円卓会議。

当社グループ取り組みの進捗状況を下記URLでチェックしてください。
https://www.rspo.org/

RSPO

5.UNIFUJI(ユニフジ)の設立

持続可能なパーム油調達を推進し、顧客や消費者に責任ある製品供給を果たすことは、不二製油グループの事業戦略上でも重要なテーマとして位置づけています。ユニフジは、持続可能なパーム油に対して志を共にするパートナーであるUNITED PLANTATIONS社との合弁会社です。合弁先のUNITED PLANTATIONS社は、世界で初めてRSPO認証油の生産を行った実績を持ち、農園労働者の人権や環境に配慮した持続可能な農園運営が行われています。2018年度に工場の稼働を開始したユニフジでは、UNITED PLANTATIONS社の農園から、高品質かつ持続可能なパーム油を確保し、当社グループの強みである分別技術をもとに、高付加価値のパーム油製品を生産・販売しています。ユニフジの工場は、UNITED PLANTATIONS社の農園内に位置し、バイオマスと排水からのエネルギーを利用しています。

6.学術機関・政府・業界との協働

① 育種研究による生産性向上

パーム油の消費量が世界的に拡大する一方、アブラヤシの栽培に適した地域は非常に限られていることから、アブラヤシの品種改良によって生産性と品質を高め、単位面積当たりの収穫率を向上させていくことが求められています。不二製油グループでは、世界最大のパーム油生産国であるインドネシアの研究機関、インドネシア技術評価応用庁(Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi:BPPT)と「パームの生産性の向上および高品質化に向けた共同研究」を2011年より実施しています。これまで、アブラヤシの優良苗の生産や品種改良につながる組織培養技術の大幅な改良に成功するなど、インドネシアでのパーム研究の発展に寄与しています。今後も、パーム油産業の発展に貢献していくとともに、パーム農園の拡大に伴う熱帯雨林の減少などの地球環境問題の改善を図り、持続可能なパーム油生産に貢献していきたいと考えています。

  • 育種研究が進められているBPPTバイオテクノロジー研究所
    育種研究が進められているBPPTバイオテクノロジー研究所
  • パームの組織培養の様子
    パームの組織培養の様子

② The Consumer Goods Forum Japan Sustainability Local Group パーム油ワーキンググループ

不二製油グループは、消費財の国際的な業界団体であるThe Consumer Goods Forum(TCGF)のJapan Sustainability Local Groupの一つである「パーム油ワーキンググループ」に、2017年度の設立当初から参画しています。「パーム油ワーキンググループ」には、最終製品メーカーや小売・卸売企業などさまざまな業態のメンバーが参画し、日本社会において持続可能なパーム油調達を実現する目的で、情報収集および協議を行っています。

③ 持続可能なパーム油会議(Japan Sustainable Palm Oil Conference)

2018年11月、日本社会として持続可能なパーム油調達を考えるためのイベント「持続可能なパーム油会議(Japan Sustainable Palm Oil Conference)」について、趣旨に賛同し協賛しました。

トピックス「子どもたちへの教育・啓発」

サステナブル調達を推進するためには、消費者・市場に対する働きかけが重要なテーマの一つとなります。当社は、次代を担う学生への教育が重要であると考え、NPOのThink the Earthによる、「SDGs for school」の出前授業に賛同し、その授業で使用するチョコレートの協賛を通して、学生に持続可能なパーム油、ひいては持続可能な社会について考えていただく機会の提供に努めています。

本件に関する詳細は「社会貢献活動」ページをご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/csr/management/management_04/

カカオ

カカオのサプライチェーンと不二製油グループの位置づけ

カカオのサプライチェーン

考え方

チョコレートの需要は世界的に一層高まっていますが、その原料であるカカオは、農家の離農や高齢化、カカオツリーの老齢化、気候変動による生産地への影響、知識や資材不足による生産効率の低さといった供給面の問題から、将来的な需給のひっ迫が懸念されています。さらに、小規模農家が大半を占めるカカオ農家の貧困や児童労働、森林破壊、土壌汚染など、複雑に絡み合った人権および環境面での問題が指摘されています。
業務用チョコレート事業は、不二製油グループのコアコンピタンスの一角であり、ココアリカー・ココアバター**・ココアパウダー***等のカカオ由来原料は当社グループにとって基幹原料の一つです。当社グループが将来にわたり、持続可能なカカオを使用した製品を通じて食の喜びを届け続けるため、2018年8月に「不二製油グループ 責任あるカカオ豆調達方針」を策定いたしました。本方針に基づいて、持続可能なカカオ原料の調達活動を行うことを目指しています。

*ココアリカー:チョコレート・ココアの製造工場の用語で、カカオ豆から外皮を取り除いて磨砕して出来るペースト状のもの。
**ココアバター:カカオ豆を搾油して得られる植物油脂。
***ココアパウダー:カカオ豆からココアバターを搾油した後のものを粉砕し粉状にしたもの。

責任あるカカオ豆調達方針PDF(166KB)

具体的な取り組み

エクアドルでの小規模農家支援活動

  • 責任あるカカオ豆調達方針に基づき、2018年12月より、エクアドルでの小規模カカオ農家支援活動を当社グループの直接サプライヤーとともに開始いたしました。農業支援を通して、生産性の向上・カカオ豆の品質向上・農家およびコミュニティの生活水準の向上を目指します。現在、支援プログラムでは68農家に対して、当社の直接サプライヤーが農園管理方法や土壌管理、収穫後のプロセス(発酵作業など)に関するトレーニングを行っています。カカオ豆は土壌管理・生産および収穫後のプロセスが品質を大きく左右する原料です。農業支援プログラムを通して、単収の向上による農家の収入向上が期待されます。また、現地にて風味研究を行うことで、カカオ豆の品質改善を図っていきます。

  • 土壌やカカオに負荷の低いオーガニックな虫除けスプレーをつくるための技術指導の様子
    土壌やカカオに負荷の低いオーガニックな虫除けスプレーをつくるための技術指導の様子

ガーナでの支援活動

カカオ豆の主要原産国の一つに、アフリカのガーナがあります。不二製油(株)は、2014年以降、カカオ豆購入代金の一部を利用し、ガーナのサプライチェーン上のコミュニティ支援を行っています。これまでに、支援先コミュニティにおいて、「井戸の建設(2014年)」および「収穫率の改善のための研究(2016年~)」を行ってきました。

  • 農業指導の様子
    農業指導の様子
  • 収穫率向上のための研究として、2016年から2018年にかけて、モデル農園を選定し、異なる条件で育成したカカオの収穫量を研究してきました。研究によって、モデル農園の収穫量は、2017年10-12月は前年同時期と比較し、18%の増加となりました。2018年2月からは、モデル農園近隣エリアのカカオ農家を対象とした、農業指導の実施を継続しています。「農園の管理方法」、「農薬の管理方法」、「カカオの収穫および収穫後の管理方法」に加えて、「新しく農園を始める際の土地の選定基準」や「農園のリハビリテーション」についての指導を実施しています。また、収穫量向上のみならず、カカオ豆の品質を向上させるためのノウハウや、ガーナ豆の風味を引き出す発酵方法を農家に伝えています。
    今後も、カカオ豆の持続可能な生産・消費体系構築を目指し、生産者の支援を継続していきます。

世界カカオ財団(WCF)への参画

不二製油グループは2012年より、世界カカオ財団へ加盟しています。世界カカオ財団は、農家が栄え、カカオ生産者コミュニティが活力を持ち、人権が尊重され、環境が保全されるようなカカオ産業の持続可能な繁栄を目指している、メンバー制の国際的なNPOです。

世界カカオ財団の3原則

  • world Cocoa Foundation
  • WCFサステナビリティ3原則

認証カカオ原料の取り扱い

Fair Trade

FAIRTRADE

フジオイル ヨーロッパ(ベルギー)では、開発途上国の原料や製品を購入することを目指すフェアトレード認証を取得しています。お客様のご要望に応じて、フェアトレード認証の原料を使用した製品を生産・販売しています。

UTZ

UTZ

不二製油(株)関東工場、フジオイル ヨーロッパ(ベルギー)、ウッドランド サニーフーズ(シンガポール)、フレイアバディ インドタマ(インドネシア)では、持続可能な農業のための国際的な認証プログラムである「UTZ認証」を継続的に取得しており、今後もお客様のご要望に対応していきます。

大豆

考え方

大豆は、冷帯から熱帯まで幅広い地帯で栽培される植物ですが、大豆の生産地では、農園開拓による森林破壊や、農薬散布による農園地域の土壌汚染などが懸念されています。不二製油グループは、大豆が将来の世界の食糧危機を救うと信じ、1957年以降、他社に先駆けて食品素材としての大豆の可能性を追求してきました。当社の大豆加工素材事業においては、脱脂大豆や丸大豆、大豆たん白などの大豆由来の原料を使用しています。大豆加工素材事業を通してサステナブルな社会に貢献するために、調達活動においても地球環境と社会への配慮に努めます。

具体的な取り組み

不二製油グループが調達する大豆の産地

当社グループの大豆加工素材事業では、北米産、中国産、日本産の大豆原料のみを調達しています。

非遺伝子大豆の調達

不二製油グループでは非遺伝子組み換え大豆のみを調達しています。北米では、遺伝子組み換え大豆と非遺伝子組み換え大豆がともに多く流通しているため、北米産大豆に関しては栽培、輸送および保管において厳しい分別管理を行っています。
大豆の主要な調達先である中国では、遺伝子組み換え大豆の栽培は禁止されていますが、近年は搾油原料として海外産の遺伝子組み換え大豆が中国に輸入されており、年々、非遺伝子組み換えを厳格に分別管理することの重要性が増してきています。中国産大豆の調達についてもグループで連携し、不二製油(株)で得た管理ノウハウを取り入れ、厳しい管理要求に継続的に対応しています。

*遺伝子組み換え大豆:安定的に大豆を収穫するために除草剤耐性などの機能を、遺伝子を組み換えることで付与した大豆。

ステークホルダーの期待の把握

2018年度、環境に関する評価機関であるCDPのフォレスト質問書において「大豆」に関して初めての回答を行いました。回答を通して、「大豆調達に関する方針の策定と公表」や「サプライチェーンの森林破壊リスクの管理」など、ステークホルダーが大豆のサステナビリティの文脈で企業に期待することを把握することができました。
2019年度は、サプライヤーや顧客・有識者との対話を通して、ステークホルダーの期待を深堀し、大豆調達に関する考え方や取り組みを検討していきます。

シアナッツ

考え方

チョコレートやチョコレート利用食品の多様化する需要に応えるため、ココアバター代用脂(CBE:Cocoa Butter Equivalent)も多様化しています。優れたココアバター代用脂づくりに不可欠な原料の一つに、アフリカ原産のシアバターがあります。近年は化粧品利用などでも知名度が高くなっていますが、食用への利用も古くから行われています。シアバターを生み出すシアナッツは、自然に植生します。植生地域においては神聖な木とされ、主に女性が収穫を行います。コミュニティにとって、雇用の創出および女性のエンパワメントの観点から重要な産業として位置付けられています。
不二製油グループは、主に植物性油脂事業においてシアナッツを使用しており、事業活動を通してシアナッツ生産地域が経済・社会・環境の観点から持続可能な発展をすることに寄与したいと考えています。当社グループのインターナショナル オイルズアンド ファッツ(ガーナ)は、シアバターの分別工程を自社で行うことにより、現地(ガーナ)で製品の付加価値を上げ、現地経済や雇用機会の創出に貢献しています。

*シアナッツ:シアバターの木の種子のことで、主な生産地はナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、ガーナなど。シアナッツから製造されるシアバターは食品、化粧品や石鹸に使用される。

具体的な取り組み

Global Shea Alliance (GSA)への参画

シアナッツ産業においては、約1,600万人が従事するといわれる西アフリカ女性たちによる収穫作業なくしては持続が困難です。ジェンダー平等の実現、生活レベルの確保、収穫時の労働安全の確保が重要になります。また環境面では、現地の人々の生活燃料確保のため、樹木伐採問題なども指摘されつつあります。これらの課題は1社のみで解決できることではなく、シアナッツサプライチェーンのステークホルダーによって構成されるGlobal Shea Alliance(GSA)で議論がなされています。2019年3月、ガーナのアクラで行われた総会には不二製油グループとして参加するなど、GSAを通じたステークホルダーとのネットワーキングおよび情報収集を進めています。

シアバターの木
シアバターの木

UNDPプロジェクトへの参画
(ガーナでのシア栽培を通じた地域復興・女性の地位向上・環境保護の推進)

不二製油グループ本社およびフジオイル ヨーロッパ(ベルギー)は、国連開発計画(UNDP)が主催する「Ghana Shea Landscape REDD++Project」への参画を検討しています。本プロジェクトでは、シアナッツ産業がコミュニティの活性化および女性の地位向上を推進し、環境に対する負の影響を低減することを目指して、就業機会の創出や植林活動、コミュニティ形成支援など、多角的な活動を行う予定です。

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