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人権マネジメント

マネジメント情報

考え方

不二製油グループは、ステークホルダーの人権を尊重する責任があることを認識し、グループ憲法で表明する「人のために働く」にのっとり、責任を果たすよう努めています。2017年4月に基本的な考え方として「不二製油グループ人権方針」を示しました。さらに、当社グループの従業員が人権尊重について共通の認識を持ち、事業活動において責任を果たせるよう、具体的な対応指針として「不二製油グループ人権ガイドライン」を2023年3月に策定・公表しました。

推進体制

不二製油グループ本社ESG部門長の管掌のもと、不二製油グループ本社サステナビリティ推進グループが関係部門を統括し、人権リスクの把握や人権尊重の啓発を行い、各事業所・各職場における人権尊重の実践を推進しています。また、特定した重要な人権リスクについては、ESGマテリアリティ※1に反映し、取締役会諮問機関のサステナビリティ委員会※2において進捗や成果を確認しています。

具体的な取り組み

教育・普及啓発活動

毎年、12月10日の世界人権デーに合わせて「不二製油グループ人権週間」を設定し、グループ従業員に向けて、ビジネスと人権に関する担当役員メッセージと注意喚起メールを発信しています。また、2022年度は当社グループの取り組み事例(サステナブル調達、労働安全衛生)を社内コミュニケ―ションサイト(日本語・英語・中国語・ポルトガル語)などで紹介し、社内の意識向上を図りました。

社内コミュニケ―ションサイト(日本語・英語・中国語・ポルトガル語)に掲載した担当役員メッセージ

ビジネスと人権eラーニング動画

人権デュー・ディリジェンス

人権デュー・ディリジェンスの全体像

「国連ビジネスと人権に関する指導原則」では、企業にも人権を尊重する責任があることが明文化されています。企業は、適用される全ての法令を遵守し人権を尊重するよう求められるというもので、方針によるコミットメント、人権デュー・ディリジェンス、是正の3つから構成されています。不二製油グループ人権方針に定める「人権尊重責任の実行」の一つとして、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。

インパクトアセスメントのプロセス

事業活動が関与し得る人権への負の影響を特定・評価し、優先的に対処すべき重要な課題を特定するため、「国連ビジネスと人権指導原則」で提唱されるプロセスにのっとり、外部の有識者の助言を得て、人権インパクトアセスメントを実施しています。2016年度に第1回、2020年度に第2回のアセスメントを実施し、人権リスクを確認しました。2020年度のアセスメントでは、ビジネスと人権分野に知見を持つ団体BSRより第三者の立場から助言をいただきました。
第1段階として、BSRのノウハウをもとに、当社グループの事業活動や操業地域の特性上の人権リスクを洗い出しました。
第2段階として、BSRの参画を得て社内関係者にインタビューを行い、当社グループの実情を可能な限り反映して、事業活動を通して影響を及ぼし得る6分野(①労働安全衛生、②サプライチェーン上の労働者の人権、③ダイバーシティ&インクルージョンおよび職場の人権、④食品安全、⑤ガバナンス・リスク・コンプライアンス、⑥気候変動による人権への影響)の人権リスクを特定しました。
第3段階として、専門家からの助言に基づき、特に対応を優先すべき重要な人権リスクとして3分野(①労働安全衛生、②サプライチェーン上の労働者の人権、③ダイバーシティ&インクルージョンおよび職場の人権)を特定し、経営層に報告しました。
中期的に特定リスク3分野の低減に取り組み、その進捗については、サステナビリティレポートなどで開示しています。

第1回・第2回人権インパクトアセスメントの結果の推移
および第1回人権インパクトアセスメントで特定した人権リスク対策の進捗

第2回人権インパクトアセスメントで特定した人権リスクの詳細

第2回人権インパクトアセスメントで特定した人権リスク 特に確認・留意する事項
(専門家の推奨事項)
対策の方向性 2022年度実績
労働安全衛生

関係するステークホルダー:従業員
  • コロナ禍での感染対策
  • 第三者の活用によるマネジメントシステム強化
  • 職場での感染症対策の徹底の継続
  • 第三者視点を入れた労働安全衛生マネジメントシステムの継続的レベルアップ
  • 政府・自治体方針に従った感染対策制限の緩和に対応(社内感染対策、感染者の療養期間・濃厚接触者の待機期間、マスクの着用など)
  • 各エリアの統括会社の安全担当者を加えた個社の合同リモート監査を実施し、リモート監査を再開
サプライチェーン上の労働者の人権(農園における労働環境、労働安全衛生、非差別・機会均等、強制労働・児童労働、土地の権利に焦点)

関係するステークホルダー:サプライチェーン上の労働者
  • 主原料に限定しないサプライヤー行動規範の確立、グリーバンス(苦情処理)メカニズムの拡大
  • パーム・カカオ:調達方針、中長期目標に基づく取り組みの推進
  • 大豆:調達方針の策定とモニタリングシステムの確立
  • サプライヤー行動規範の周知徹底
  • パーム油改訂グリーバンス(苦情処理)メカニズムの実効性評価
  • 欧州人権デュー・ディリジェンス動向の適時把握とサプライチェーン上での迅速な対応
  • 西アフリカの児童労働について、トレーサビリティマッピング、CLMRS(児童労働監視改善システム)の推進、および教育支援への参画
  • 大豆および大豆製品の責任ある調達方針とKPIの設定と開示
  • 西アフリカのシアカーネルの責任ある調達方針とKPIの設定(特に女性のエンパワーメント)と開示
  • サプライヤー行動規範に対するサプライヤーからの同意回答率71%(2023年1月時点)
  • グリーバンス受付数増加へ対応
  • 不二製油グループが直接購入するカカオ農家へのCLMRSの導入率100%
  • 大豆サプライヤーへのセルフアセスメントを完了、本評価を受けての改善計画を策定
  • ガーナにおけるシアカーネルのサステナビリティプログラム「Tebma- Kandu」を実施
ダイバーシティ&インクルージョンおよび職場の人権(ハラスメント・強制労働)

関係するステークホルダー:従業員
  • ダイバーシティ&インクルージョンをグローバルで展開する体制強化
  • ハラスメント防止策強化
  • 強制労働リスクの確認と低減
  • グローバルにダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進
  • 職場の人権などについて確認・対応するための仕組みと体制の検討
  • グループの役員ならびに従業員を対象とした「不二製油グループ人権ガイドライン」を制定(2023年3月)
  • 職場の人権リスクに関するモニタリングを開始

グリーバンス(苦情処理)メカニズム

従業員を対象とした内部通報制度

国内・海外グループ会社従業員および一部協力会社従業員を対象に、内部通報制度を設けています。

サプライチェーンを対象としたグリーバンスメカニズム

2018年5月、「責任あるパーム油調達方針」に基づくグリーバンスメカニズムを構築・公表しました。不二製油グループウェブサイトに「グリーバンスメカニズム」のページ(英語)を設け、そのメカニズムと進捗状況を公表しています。

不二製油グループ人権ガイドライン

2022年度、不二製油グループ内の職場や従業員に関する人権課題への対応指針として「不二製油グループ人権ガイドライン」を策定しました。これは第2回アセスメントで特定されたリスク「職場の人権(ハラスメント・強制労働)」への対応の一環であり、2021年度のBSRとのダイアログで指摘された、包括的な人権リスクマネジメント体制における具体的な対応指針として機能します。当社グループの全従業員が使えるよう9言語を用意しました(日本語、英語、中国語、ドイツ語、フラマン語、タイ語、インドネシア語、マレー語、ポルトガル語)。また、グループ各社における人権リスクを把握し、対応状況のモニタリングを開始しました。

関連資料