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廃棄物の削減

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マネジメント情報

事業活動との関わり

不二製油グループは事業特性上、生産工程において廃棄物を排出しています。その多くは各工場からの排水に含まれる汚泥や、油脂事業の精製工程で不純物を吸着させた後に発生する廃白土です。さらに、加工済の製品廃棄についてもフードロスの観点から重視しています。廃棄物の削減に取り組むことは事業活動に必要な資材やエネルギー資源を効率的に活用することにつながり、環境保全活動全般に寄与すると同時に原価削減にもなる重要な取り組みです。また、サーキュラーエコノミー実現のため資源の再利用の重要性は今後さらに高まると認識しています。

考え方

不二製油グループは、「環境基本方針」に基づいて製品の製造工程における廃棄物削減に取り組んでおり、「環境ビジョン2030」において、グループ全体での廃棄物削減についてコミットメントを表明しています。

推進体制

不二製油グループ本社ESG部門長の管掌のもと取り組みを推進しています。また、ESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会※2において進捗や成果を確認しています。

目標・実績

2030年目標※1 2022年度実績※1 達成率
原単位※2で10%削減(グループ全体※3 4.7%削減 47%
再資源化率99.8%以上を維持(国内グループ会社) 99.69% 未達成
  • ※1 基準年:2016年。
  • ※2 生産量当たりの廃棄物量。
  • ※3 廃棄物量は、インダストリアル フード サービシズ(オーストラリア)は除く。

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
環境データ収集システムによるタイムリーな環境データ収集の開始 グループ各社と連携し環境データ収集システムの運用を開始
削減活動の推進およびレベル向上 グループ会社7社への環境監査を通じた社内啓発を実施

考察

2030年目標に対する取り組み

廃棄物量原単位は、前年度の6.1%削減に対し、2022年度は4.7%削減となり、1.4ポイント悪化しました。目標の10%削減に対しては、達成率47%となりました。国内では、不二製油(株)の脱水機の新規導入によるスカム汚泥の削減や、有価引取物への移管が削減に貢献しました。海外では生産トラブルにより廃棄物量が増加したことが影響し、対前年度で廃棄物量原単位が増加しました。
国内グループ会社での再資源化率は前年度の99.47%に対し、2022年度は99.69%となり、0.22ポイント好転しました。引き続き廃棄物の分別を徹底することで、再資源化を推進していきます。

2022年度目標に対する取り組み

「環境ビジョン2030」の達成に向け、オンライン環境監査を通じて同ビジョンの説明や再資源化の考え方などを共有しました。
2021年度から導入した環境データ収集システムを活用し、タイムリーな情報収集やその分析を行い、削減活動に活かしていきます。

年間廃棄物総排出量と原単位推移

  • ※ 2016年以降の海外総排出量を修正して原単位を再計算しました。

国内グループ会社年間廃棄物総排出量と再資源化率

Next Step

  • 継続的な廃棄物全体の削減活動の推進および意識啓発の強化

具体的な取り組み

廃棄物削減の取り組み

2022年度の廃棄物削減活動の一例は以下のとおりです。

  • 不二製油(株)の阪南工場では新しい脱水機を導入したことでスカム汚泥を大幅に削減しました。
  • 不二製油(株)の神戸工場では、雑金属やパレットなどの有価引取物への移管や、汚泥含水率の低減で廃棄物量を削減しました。
  • フジ グローバル チョコレート(M)(マレーシア)では製品の品質管理を、フレイアバディ インドタマ(インドネシア)では在庫管理を徹底することで、廃棄対象となる製品の量を削減しました。
  • ハラルド(ブラジル)では、廃棄物の再利用が可能な引取業者を新たなパートナーに選定することで、廃棄物削減に寄与しました。

フードロス削減の取り組み

SDGsのターゲット12.3では、小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食糧の廃棄を半減すること、12.5では2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再利用により、廃棄物の発生を削減することが掲げられています。日本の食品リサイクル法の基本方針においても事業系の食品ロスを半減することが目標とされています。不二製油グループは、FAO(国際連合食糧農業機関)や各国のフードロスの定義を参考に、事業体制に合った「フードロス」を定義しました。今後、フードロスに関する詳細データをモニタリングし、廃棄物の削減に取り組んでいきます。

不二製油グループのフードロス定義

人が消費する目的(食用)で生産・加工されたもののうち、食用以外の用途となったもの(動物の飼料なども含む)。

日本国内の「食品リサイクル法」への対応

再資源化の推進の一環として国内グループ会社では「食品リサイクル法」に基づき、食品廃棄物の再利用に取り組んでいます。2022年度のリサイクル率は99.2%と、前年から0.3ポイント好転しました。国内グループ会社での生産量は対前年度で増加しましたが、グループ全体で食品リサイクルの活動に注力した結果、2022年度の食品廃棄物の発生量は29,588トンとなり、前年度に比べ4,167トン(約12%)減少しました。
同法が食品製造業界に対して設定している目標は「食品循環資源の再生利用等(食品リサイクル)の実施率95%を達成」することですが、不二製油グループでは目標設定当初の2007年度から97.3%以上の高い実施率を達成し、その後も維持し続けています。しかしながら、生産の拡大により絶対量が増えることを将来発生し得る課題として認識し、副生物の利用方法の開発などにより高水準を維持していきます。

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