サステナブル調達マネジメント
マネジメント情報
考え方
不二製油グループはビジョン「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」を掲げています。責任あるサプライチェーンの構築はビジョン実現に不可欠であり継続して推進しています。サプライチェーン上での環境、人権などの社会課題を解決すべく、サプライヤーとの信頼を醸成しながら、環境保全、人権尊重、公正な事業慣行、リスクマネジメントなどに取り組み、サプライヤーと当社グループ、そして社会の三者が持続的に発展することを目指します。2022年は対面形式のエンゲージメント活動をパーム油の原産国であるマレーシアやインドネシアで再開しました。
当社グループのサステナブル調達は、2012年に「不二製油CSR調達ガイドライン(初版)」を策定(2016年および2021年に改訂)し、CSR調達を通じて、食の創造、人権・環境への配慮、人材育成、社会貢献、コンプライアンスなどの方針を表明するところから始まりました。その後、2016年「責任あるパーム油調達方針」、2018年「責任あるカカオ豆調達方針」において主原料のサステナブル調達のKPI・目標を定めました。2021年にはグローバルでの気候変動対応や人権尊重の気運の高まりに呼応し「サプライヤー行動規範」を制定、当社グループのサステナブル調達に全てのサプライヤーからご賛同いただき協働していく姿勢・方針を打ち出しました。さらに、「責任ある大豆、大豆製品の調達方針」、「責任あるシアカーネル調達方針」においてKPI・目標を拡充しています。常に、方針に沿いながらKPI・目標達成に向け邁進しています。
サステナブル調達に関わる方針
方針名 | 適用範囲 | 策定年 | |
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包括 | サプライヤー行動規範(PDF形式、2.23MB) | 当社グループに製品・サービスを供給する全てのサプライヤー | 2021年 |
原料別 | 責任あるパーム油調達方針(PDF形式、1.54MB) | 当社グループが購入、取引、加工、販売するあらゆるパーム、パーム核油およびパーム由来原料の全てのサプライヤー | 2016年 |
責任あるカカオ豆調達方針(PDF形式、166KB) | 当社グループが購入、取引、加工、販売するあらゆるカカオ豆およびココア製品の全てのサプライヤー | 2018年 | |
責任ある大豆、大豆製品の調達方針(PDF形式、908KB) | 当社グループが調達する丸大豆、大豆たん白製品の全てのサプライヤー | 2021年 | |
責任あるシアカーネル調達方針(PDF形式、950KB) | 当社グループが調達するシアカーネルの全てのサプライヤー | 2021年 | |
個社別 | CSR調達ガイドライン(第3版)(PDF形式、352KB) | 不二製油(株)のサプライヤー | 2012年初版 |
推進体制
主原料(パーム油、カカオ、大豆)および戦略原料のシアカーネルのサステナブル調達については、最高経営戦略責任者(CSO)が管掌しています。CSO事業部門にてサステナブル調達を推進する体制とし、各原料別にプロジェクト体制の中でロードマップに沿った施策を推進しています。
また、サステナブル調達はESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会※2において進捗や成果を確認しています。
目標・実績
サステナブル調達コミットメント
2020年6月にパーム油とカカオ、2021年6月に大豆とシアカーネルのサステナブル調達に関する中長期目標とKPIを策定しました。
- ※1 TTP:Traceability to Plantation(農園までのトレーサビリティ)。
- ※2 パルマジュ エディブル オイル(マレーシア):不二製油グループ本社の100%子会社の油脂製造拠点。
- ※3 RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)。
- ※4 さまざまな種類の緑陰樹の苗木を2021年から2030年までの10年間で100万本植樹予定。
- ※5 最悪の形態の児童労働:Worst Forms of Child Labour(WFCL)。ILO(国際労働機関)第182号条約「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」により、子どもの安全、健康、道徳を害するおそれのある危険有害労働を禁止している。人身取引、債務労働、強制労働、児童買春、および児童ポルノ、犯罪など不正な活動、武力紛争での子どもの使用が含まれる。
- ※6 CLMRS:Child Labour Monitoring & Remediation System(児童労働監視改善システム)。
- ※7 RTRS:Round Table on Responsible Soy Association(責任ある大豆に関する円卓会議)。
- ※8 主にシアの木の苗木を2021年から年間6,000本植樹予定。
- ※9 2021年、2022年、2023年はそれぞれ10%、10%、15%をKPIに設定。
- ※10 シアカーネル搾油後の油粕(ミール)などを非化石燃料として使用。
- ※11 2021年時点で非化石燃料比率は75%。
具体的な取り組み
各原料のサステナブル調達
不二製油グループの主原料(パーム油、カカオ、大豆)および戦略原料のシアカーネルのサステナブル調達の取り組みの詳細については、以下のURLをご参照ください。
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パーム油のサステナブル調達
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カカオのサステナブル調達
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大豆のサステナブル調達
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シアカーネルのサステナブル調達
サプライヤーとのエンゲージメント
サプライヤーは不二製油グループにとって、SDGs(持続可能な開発目標)に代表される持続可能な社会の実現のための鍵となるパートナーであり、サプライヤーとの共創によって「サプライヤー」「当社グループ」そして「社会」の三者が持続的に発展することを目指しています。この考えは2021年4月に策定・公表した「不二製油グループサプライヤー行動規範」にも明文化しています。事業を展開する全ての国・地域で、サプライヤーに本規範の遵守ならびに該当する当社グループのほかの調達方針への対応を依頼しています。2023年1月末時点で、約71%のサプライヤーから同意をいただきました。今後も同意いただいたサプライヤーと歩みを同じくして持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。未回収のサプライヤーには、引き続き働きかけていきます。
日本におけるサプライヤーとの協働
2022年度、不二製油(株)では「CSR調達ガイドライン第3版」(2021年11月改訂)をもとに購買部資材課管轄の日本国内サプライヤーへアンケートを実施し、同社が調達する製品やサービスがコンプライアンス、人権、環境に配慮し、責任が明確な方法で製造されているかを評価しました(回収率96%)。結果として、「人権・労働安全衛生への配慮」「企業倫理・コンプライアンス」の評点は高いものの、「リスクマネジメント」「環境への配慮」が比較的低い評点となりました。サプライヤーのうち、自社の調達方針を定めていない会社が38%を占めたため、調達方針の理解と周知が課題と認識しました。事業規模、業態、管理主体の親会社の有無など、会社ごとに異なる状況を踏まえ、個別に改善策を協議しています。今後もサステナビリティの観点からの取引先評価を継続します。
日本国内でのドライバー不足問題への対応としては、ドライバーの負担軽減につながるパレット納品を2021年度から継続して推進しました。また、環境負荷の低いフィルムやインクの採用を検討しました。各種テストを終え、当該フィルムを使用した包材の導入を予定しています。