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CEOメッセージ

原点に立ち返り、不二製油グループならではの食の社会的価値を共創します

2022年5月に策定した中期経営計画「Reborn 2024」では、「サステナビリティの深化(経営戦略と一体化したサステナビリティ戦略)」を基本方針の一つに定め、「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」をビジョンに掲げました。今年4月、本ビジョンをグループ憲法のビジョンに据えましたが、これまでトップダウンで進めてきた不二製油グループのサステナビリティ経営も、各現場に浸透してきたと感じています。環境や社会経済の予測が難しい現代においては、バリューチェーン上にあるさまざまなリスクと機会を総合的かつ包括的に捉え、ステークホルダーとともにスピード感を持って対応していくことが肝要です。当社グループのDNAである「人まねをしない」「植物性素材へのこだわり」に従業員一人ひとりが立ち返り、社会課題を機敏に捉え、当社ならではの植物由来の新たな価値創造に取り組むことが、ビジョン実現の近道になると考えています。

2022年度は、自律的なグループ各社のサステナビリティ活動を促す体制へ進化させました。事業戦略とサステナビリティの側面を一体化させるため、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会のメンバーとして、議決権を持つCxOのほか、2022年度からエリア統括代表を、2023年度からは事業部門長を加えました。これにより全社的に、エリア軸・事業軸の両面からサステナビリティ関連のリスクおよび機会について審議、モニタリングするガバナンス体制としました。

当社グループは、フードシステムの一端を担う食品企業として、地球と人のウェルビーイングの実現を目指し、創業時から主に植物性素材の事業を行ってきました。昨今では、サステナブルな原材料へのお客様の関心の高まりから、当社グループが調達し、生産するRSPO認証パーム油の割合も年々上昇しています。また2022年7月、ビジョン実現に向けたPlant-Based Foodのフラッグシップ「GOODNOON」を立ち上げました。植物性素材で「驚きのおいしさ」を実現し、消費者の皆様にPlant-Based Foodをより身近に取り入れていただくため、パートナーとともにeコマースでのPlant-Basedバターなどの販売も始めました。当社グループにとって新しいビジネスの領域に挑み続けることが、我々の使命であると強く感じています。

我々が目指すサステナブルな食のバリューチェーン構築には、食の安全・安心ならびに従業員が安全に安心して働ける労働環境づくりが大前提です。「安全は全てに優先する」という意識をより一層浸透させ、働きやすい職場環境を確保し、高い目標に挑戦し続けます。また、複雑化する世界各地の社会課題を解決するためにはイノベーションが求められます。それを生み出すのは多彩な能力と多様なバックグラウンドを持つ人材です。私は、一人ひとりにこれまで以上の発想力、そして周囲と協力しあい、人を巻き込む力が求められると考えています。DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)がそういう人材を育てる鍵です。経営のトッププライオリティとして、グループ全従業員に公正な機会と評価を与え、インクルーシブな人材管理を行うことで、多様な人材の活躍を促してまいります。

全従業員でサステナビリティ経営を実践し、多様なステークホルダーとともに、誰もが心から食を楽しみ幸せを感じられる世界の実現に向けて挑戦してまいります。

不二製油グループ本社株式会社
代表取締役社長
最高経営責任者(CEO)

酒井 幹夫