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生物多様性の保全と回復

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生物多様性

マネジメント情報

事業活動との関わり

不二製油グループの事業活動は豊かな自然生態系の恩恵を受けると同時に、気候変動だけでなく生物多様性にも影響を与えています。世界各地の原料産地や事業拠点で、ステークホルダーとともに生物多様性の保全と回復に向けた取り組みを推進しています。

考え方

2023年3月「不二製油グループ生物多様性方針」を制定し、生物多様性への基本的な考え方と行動指針について公表しました。本方針に基づき、バリューチェーン上の生物多様性への負の影響を回避または軽減し、自然を基盤とした解決策で自然生態系の保全と回復に努め、ネイチャーポジティブに向けた地球規模の目標へ貢献していきます。

  • ※ 生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組。2030年までに生物多様性を回復軌道に乗せ、2050年までに自然と共生する社会の実現を目指す。

推進体制

不二製油グループ本社ESG部門長管掌のもと推進しています。また、ESGマテリアリティ※1の一つとして、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会※2においてその進捗や成果を確認しています。

目標・実績

〇:目標に対して90%以上達成、△:目標に対して60%以上達成、×:60%未満

2022年度目標 2022年度実績 自己評価
生物多様性保全に関するグループ方針の作成 不二製油グループ生物多様性方針を制定および公表

考察

2022年度は、事業と生物多様性の関係性をバリューチェーンに沿って把握し、事業全体に関わる生物多様性課題を整理しました(森林から農園への転換による生物生息地の減少、農地周辺の生態系への影響、気候変動、水資源など)。その上で、昆明・モントリオール生物多様性枠組や食品業界で関心が寄せられる生物多様性テーマに鑑み、バリューチェーン全体における包括的な行動指針を含めたグループ方針を制定しました。

Next Step

生物多様性への依存と影響を把握し、優先して取り組むべき課題を検討します。原料のサステナブル調達活動による自然生態系への負の影響の回避・軽減や、環境に配慮した原料開発などの生物多様性に寄与する研究開発を引き続き推進します。また、自然生態系の重要性について従業員の意識啓発を図るとともに、生産者やサプライヤーのキャパシティビルディングも支援していきます。

具体的な取り組み

生物多様性の課題解決に向けた取り組み

以下の生物多様性課題に対し、バリューチェーン全体を通して、負の影響の低減と正の影響の創出の両面で取り組んでいます。

森林の破壊防止と再生

  • パーム油産地:衛星写真による森林状況モニタリング、保護価値の高い森林(HCV)や高炭素貯蔵(HCS)の特定と保護※1
  • カカオ産地:植樹活動、森林モニタリング※2
  • シアカーネル産地:緑地保全※3

農地および周辺の生態系への影響、化学物質の使用削減

  • パーム油産地:農業生産工程管理(GAP)、ユニフジ:生態系を活かした有害生物や害虫管理、認証油の拡大、小規模農家の環境再生型農業導入支援※1
  • カカオ産地:アグロフォレストリーやGAP導入支援※2
  • 加工工程で副生される大豆ホエイをアップサイクルした土壌改良剤の開発と普及※4

気候変動(GHG排出削減、廃棄物削減)

  • シアカーネル産地:搾油後の副産物(油粕など)の燃料利用※3
  • グループ事業拠点での省エネや再生可能エネルギー導入によるCO2排出量の削減、工程改善や汚泥の含水率低減による廃棄物量の削減※5
  • 製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減したものづくり技術の開発※6
  • 清掃工場で回収したCO2(CCU)を活用した大豆育成研究※6
  • えんどう繊維の高度利用による機能性食品素材の開発※7
  • 鮮度維持技術やおいしさを維持する素材開発による顧客のフードロス削減※7
  • 油脂酵母によるパーム油代替油脂の開発※8

水資源の利用

  • グループ事業拠点での水使用量の削減※5

ステークホルダーの意識啓発・キャパシティビルディング

  • 原料産地・農家:ランドスケープイニシアチブ※1、女性農家のエンパワーメント※2※3、女性農家向け緑地管理研修※3
  • サプライヤー:NDPEに向けたエンゲージメント※1、労働環境改善プログラム導入※1
  • 従業員:社内コミュニケーションサイト(日本語・英語・中国語・ポルトガル語)での啓発やサステナビリティ研修(日本の管理職層、国内外グループ会社)の実施

関連資料